SIGFOXの測位技術で物流資材管理、アルプスのIoTタグ:電池交換不要で10年稼働
アルプスアルパインは「第8回IoT/M2M展」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)で、電池交換なく10年以上稼働できる新開発の物流管理用IoT(モノのインターネット)デバイス「Lykaner」とSigfoxの新たな測位技術を組み合わせた「物流資材管理システム」や、アナログメーターに磁気センサーを用いたIoTデバイスを取り付ける「遠隔監視システム」を紹介した。
アルプスアルパインは「第8回IoT/M2M展」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)で、電池交換なく10年以上稼働できる新開発の物流管理用IoT(モノのインターネット)デバイス「Lykaner(ライカナー)」とSigfoxの新たな測位技術を組み合わせた物流資材の管理システムや、アナログメーターに磁気センサーを用いたIoTデバイスを取り付ける遠隔監視システムを紹介した。
10年間、電池交換不要で稼働
物流資材管理システムは、IoT向けのLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク「SIGFOX」を提供するSigfoxとの協業によるもので、物流業界において課題となっている、パレットなど物流資材の紛失の防止と管理の効率化を図るソリューション。10年間電池交換不要で稼働が可能な物流管理用IoTデバイスLykanerを物流資材に取り付け、SIGFOXの新たな測位技術「Atlas Wi-Fi」と組み合わせることにより、低コストで物流資材の管理が可能になったという。
Atlas Wi-Fiは、基地局の位置情報と電波強度をもとに測位ができるSIGFOXの「Atlas Native」を基本に、Wi-Fiアクセスポイントの情報を組み合わせた測位技術。物流施設のカゴ台車やパレットなどに取り付けたLykanerが、付近のWi-Fiのアクセスポイント情報を、SIGFOXネットワークを通じてクラウド上に送信する仕組みだ。Wi-Fiのアクセスポイント情報をベースとすることもあり、50m程度の精度となっているが、「物流施設ではそれほど拠点が密接している場合はないため、どの拠点にあるかということが把握できれば十分だというケースが多い」(アルプスアルパインの説明担当者)という。
Lykanerは、低消費電力のSIGFOXネットワークで通信を行う上、必要な時だけ動作させることが可能であり、電池交換なく10年の稼働が可能となっている。価格は、カゴ台車やパレットなどの物流資材の10%程度といい、低通信コスト、低通信コストを実現している。サイズは4×2インチ(10.16×5.08cm)で、−20℃〜+60℃まで動作可能。欧州では既に量産体制に入っていて、今春から欧州向けに提供を始める。
磁気センサーでメーターを読み取る
アナログのガスメーターに磁気センサーを外付けし、メーターの針を読み取るデモも展示した。磁気センサーで針の位置を読み取り、その位置を基にガスメーターの数値を算出する。また、逆光や夜間などの光の状況に左右されず、安定した計測ができる。
具体的には、センサーのデータがクラウドに送信され、そこで数値に変換される。ユーザーは、専用のアプリからメーターの数値を確認することができる。磁気センサーを使うことで、アナログのガスメーターでも、手軽で安価にスマートメーター化することが可能になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 入力のアルプス+出力のアルパイン、強みを融合
アルプスアルパインは「第11回 カーエレクトロニクス技術展」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)で、車載向けのタッチインプットモジュールなどを展示した。 - トッパンフォームズ、2周波数帯対応のICタグ
トッパンフォームズは、「第8回IoT/M2M展 春」で、「LPWA/エッジAIソリューション」や「RF IDソリューション」について、具体的事例を交えながら紹介した。 - 物流のDXを支援、Intelの輸送可視化ソリューション
Intelの日本法人インテルは2019年3月28日、都内で記者説明会を開催し、物流業界向けのIoT(モノのインターネット)ソリューション「インテル コネクテッド・ロジスティクス・プラットフォーム」を発表した。 - 「シンプル&安価」を貫くSIGFOX、日本でも拡大基調
SIGFOXが、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)とネットワークパートナー契約を結び、日本でサービスを開始してから約1年がたった。SIGFOXの日本における人口カバー率は既に50%に達している。【訂正】 - Wi-Fiで1m以下の高精度測位、物流向けに村田が展示
村田製作所は「第8回IoT/M2M展」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)で、Wi-Fiを利用した新たな測位システムによる、物流倉庫での生産性、効率改善のソリューションを展示した。今回展示していた新たな測位システムは、これまでのWi-Fiを利用した測位システムに比べて10倍の精度向上を実現しているという。 - アルプス電気、静電容量技術で自動操舵を支援
アルプス電気は、「CEATEC JAPAN 2018」で、自社の最新デバイス技術を搭載し、自動操舵機能に関する国際基準「R79」に適合するコックピットを想定したデモ展示などを行った。