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SiC/GaNを生かすには「磁性部品のPCB統合」が鍵にPCIM Europe 2019(2/2 ページ)

パワーエレクトロニクスの展示会としては世界最大規模の「PCIM Europe 2019」(2019年5月7〜9日)が、ドイツ・ニュルンベルクで開幕した。1日目の基調講演には米国Virginia TechのFred Lee氏が登壇し、「Next Generation of Power Supplies」と題した講演を行った。

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EMIを低減するには

 Lee氏は、ホイートストンブリッジの平衡条件を、PFC回路に応用することでEMIを低減できると主張する。下の図の右側に描かれているように、L3とL4の2つのインダクターをリターンパスに追加し、L1、L2のインダクターと結合することで、コモンモードノイズを低減できるという。

左=ホイートストンブリッジの平衡条件を、PFC回路に応用することでEMIを低減できるとする / 右=この手法を用いた時と、用いていない時のコモンモードノイズを比較した。青いグラフが、用いた場合である(クリックで拡大)

 Lee氏らは、提案した全ての手法を用いて6.8kWのOBCを試作した。その結果、充電サイクルの全範囲において96%の効率を維持し、1回の充電サイクル当たり消費電力を40%低減することに成功したという


Lee氏らが試作した6.8kWのOBC。6層PCBを用いた(クリックで拡大)

 Lee氏は、とりわけインダクターをPCBに統合することを強調した。「人が手でコイルを巻くという作業がなくなれば、OBCなどのPCBの製造で、自動化できるプロセスも増えてくる。これは、電源の分野において大きなパラダイムシフトになるだろう」(同氏)


PCBの製造プロセスを自動化できれば、大きなパラダイムシフトになるとLee氏は強調した(クリックで拡大)

 Lee氏は、冒頭に挙げた3つの課題を解決できれば、パワーエレクトロニクスに携わる企業にとってゲームチェンジャーになるだろうと述べ、講演を締めくくった。

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