落下衝撃などにも強いプラスチック基板を採用
ジャパンディスプレイ(JDI)は2019年5月、曲げても割れない静電容量式フレキシブル指紋センサーを開発したと発表した。静電容量式ガラス指紋センサーとフレキシブルディスプレイの技術を融合させることで実現した。
同社は、既にガラス指紋センサーを量産している。これらで培った技術を活用し、より面積が広くデザイン性にも優れる透明なセンサーも開発中である。新たに開発した静電容量式フレキシブル指紋センサーは、厚みが数十μmという極めて薄いプラスチックの基板上に指紋センサーを形成した。これにより、薄くて軽く、曲げても割れない指紋センサーを実現することができたという。
開発品の有効センサー面積は、約0.7型(約10.5×14.0mm)と広く、指腹全体を検出することが可能となる。階調数は256である。プラスチック基板を採用しているため、落下衝撃により基板が割れることがないという。開発した技術は、スマートドアロックや個人認証付きIoT(モノのインターネット)機器、モバイル機器などの用途に提案していく。
開発品は、米国カリフォルニアで2019年5月12日より開催される電子ディスプレイの国際学会「SID DISPLAY WEEK 2019」において14〜16日の3日間、自社ブースで展示する。
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