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サイプレス、車載向けで毎年8〜12%の成長を計画メディア向け説明会を実施(3/3 ページ)

 サイプレス セミコンダクタ(Cypress Semiconductor)は2019年5月14日、東京都内で、車載向け製品についてのメディア説明会を実施した。同社の自動車事業部マーケティングディレクター、楠本正善氏が製品展開戦略を説明したほか、会場では、最新の車載関連製品のデモ実演も行われた。

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FRAMやNORフラッシュ、USB-Cなども

 「Excelon F-RAM」は、0.1μAまで消費電流を抑えることができ、最大約25年の電池寿命を誇る低消費電力や、書き込み/読み出しサイクル耐久性が1014回(=100兆回)という点が特長のFRAM(強誘電体メモリ)。データが直接FRAMに書き込まれるので、事故などの際に、最後の瞬間まで記録が可能。また、既存のEEPROMやフラッシュメモリのような書き込み遅延もないため、EDR(イベントデータレコーダー)の利用に適しているといい、実際に、既存のEDRシステムとの比較した映像が紹介された。

 業界で初めて機能安全規格ISO26262準拠を実現したというNORフラッシュ「Semper NORフラッシュメモリ」は、故障モードの潜在的原因の診断機能を搭載している。ECC(誤り検出訂正)機能では、1ビットエラーの訂正、2ビットエラーの検出ができるといい、デモでは、実際にエラーの検出、訂正が行われる様子が実演されていた。

左=Excelon F-RAM搭載のEDRシステムの場合、既存のEDRシステムと比較し、0.8秒の先の画像が保存できるという/右=)Semper NORフラッシュメモリを搭載したクラスタのデモ、ECCにより、エラーの検出が行われている(クリックで拡大)

 自動車品質規格AEC-Q100に適合したUSB PD対応USB-Cコントローラー「EZ-PD CCG3PA」は、USB PD3.0規格のプログラマブル・パワー・サプライ(PPS)、QualcommのQuick Charge(QC)4.0プロトコルのほか、レガシーの充電規格に対応している。コントローラーのプログラマビリティによって、2つのポート間での負荷の分散や、温度とバッテリー電圧に基づく出力パワースロットリングなども実現。「どんな時でも最大限のパフォーマンスで急速充電を実現する」という。会場では、接続した端末の規格に合わせ、供給電圧が変更される様子が確認できた。また、ファームウェアのアップデートも可能であり、規格の変化にも対応できる。


EZ-PD CCG3PAのデモ、2つのポートに接続された規格に合わせそれぞれ最適の電圧で出力する(クリックで拡大)

 「CYW89359」は、2つの完全なWi-Fiサブシステムをシングルチップに搭載すること2.4GHzのWi-Fiと5GHz帯のWi-Fiを同時に使うことができる、「RSDB(Real Simultaneous Dual Band)を実装したコンボソリューション。2.4GHz帯と5GHz帯の切り替えによる性能低下を伴うことなく、Apple CarPlayなどのアプリケーションを同時に動作させることができるといい、会場では実際に2つの周波数帯を同時使用したデモが行われていた。このほか車載向けWi-Fi(802.11ax)のスループット実演なども行われていた。

左=CYW89359でのRSDB(Real Simultaneous Dual Band)デモ/右=車載向けWi-Fi(802.11ax)のデモ、スループット1Gbpsを実証している(クリックで拡大)

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