Wi-SUN FAN対応の無線モジュールなどを紹介:ワイヤレスジャパン 2019
Wi-SUNアライアンスのメンバー各社は、「ワイヤレスジャパン 2019」で、新規格の「Wi-SUN FAN」に対応するICや無線モジュール、評価パッケージ、ゲートウェイ装置などを紹介した。
多段中継機能で広域をカバー
Wi-SUNアライアンスは、「ワイヤレスジャパン 2019」(2019年5月29〜31日、東京ビッグサイト)で、メンバー各社が新規格の「Wi-SUN FAN(Field Area Network)」に対応するICや無線モジュール、評価パッケージ、ゲートウェイ装置などを紹介した。
Wi-SUN FANは、1km程度の距離でも安定して伝送できるIEEE 802.15.4g規格の低電力無線伝送技術と、IPv6による多段中継技術を利用したIoT(モノのインターネット)向け無線通信技術である。スマートシティーの実現や電気/ガス/水道の自動検針システムに必要となる各種センサーおよび、メーター類をインターネットに接続することが容易となる。
京都大学と日新システムズ、ロームの3者は、Wi-SUN FANの標準仕様策定を受けて、対応する無線機を開発した。異なる会社の無線機を複数台用いたマルチホップや周波数ホッピング、高度なセキュリティ技術の評価を行った。この結果、開発した無線機が認証試験に合格し、2019年1月末にはWi-SUN FANの認証を取得した。
展示ブースでは、ロームやラピスセミコンダクタ、OKI、日新システムズなどのメンバー企業が、関連する製品などを紹介した。例えば、ラピスセミコンダクタは、Wi-SUN FAN対応の次世代ICとして、マイコンとRFトランシーバーを1チップにしたSoC「ML7436 」や、無線部だけを取り出し、2.4GHzの周波数帯にも対応するワールドワイドスマートメーター向けトランシーバーIC「ML7421」などを参考展示した。Arduino互換の評価ボードなども用意している。ロームはこれらのICを用いたWi-SUN FAN対応無線モジュールを開発中である。
日新システムズは、Wi-SUN FANを活用したセンサーネットワークシステムの開発者に向けた評価パッケージを展示した。Wi-SUN FAN対応IoTゲートウェイと評価用管理ツールソフトウェアをセットにした製品である。
IoTゲートウェイはローム製Wi-SUN FAN対応無線モジュールをArmadillo-640に搭載している。評価用管理ツールはWindows上で動作するソフトウェアで、トポロジー表示やスループットなどの計測機能を備えているという。
評価パッケージを用いて、Wi-SUN FANネットワークの構築と接続状況の確認、Wi-SUN FANネットワーク上での通信試験、センサーシミュレーション機能による通信試験などを行うことができる。
これ以外にも、ルネサス エレクトロニクス製のWi-SUN FAN認証用標準機、アイトロン・ジャパン製のWi-SUN FAN対応無線メッシュネットワークブリッジ装置、アットマークテクノ製Armadillo-IoTゲートウェイ装置、MEUSOFT Japan製のメーター自動検針ソリューションなどを展示した。
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