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ローム、Wi-SUN JUTA対応無線通信モジュールアライアンスの認証を取得

ローム製の無線通信モジュールが、スマートメーター向けの新たな国際無線通信規格である「Wi-SUN JUTA」の認証を取得した。

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電池駆動で10年以上の動作が可能に


無線通信モジュールの外観

 ロームは2019年6月、同社製の無線通信モジュールが、スマートメーター向けの新たな国際無線通信規格である「Wi-SUN JUTA」の認証を取得したと発表した。この無線通信モジュールはカスタム製品としてサンプル出荷を始める。

 Wi-SUN JUTAは、テレメータリング推進協議会(JUTA)が制定した、テレメータリング用無線通信規格「U バスエア」の無線通信層に対応した、相互通信を可能にする無線通信規格。電力消費が小さく電池駆動のガススマートメーターなどを、10年以上も動作させることが可能だという。

 Wi-SUNアライアンスメンバーであるロームは、東京ガスと共同でWi-SUNJ UTA規格に対応する製品開発を行ってきた。こうした取り組みもあり、東京ガスに供給している無線通信モジュールは、Wi-SUN JUTA認証試験用の基準器(CTBU)として採用され、アライアンスの認証を取得した。

 東京ガスは、「くらし見守りサービス」の販売を2019年2月末より始めた。外出先から、自宅のドアや窓の施錠状態・開閉状況および、家族の帰宅を確認できるサービスで、このシステムにはWi-SUN JUTA規格に準拠するF-RIT方式が採用されている。

 自宅のドアや窓に取り付けたセンサー製品や家族が持ち歩く端末と、自宅に設置したホームゲートウェイ間で通信を行い、専用のLTE回線などを介して外出先から宅内の状況を確認することができる。このシステムに、ローム製無線通信モジュールが採用された。

 Wi-SUN JUTAの大きな特長は、極めて小さい電力消費と安定した通信を可能にすることである。独自の間欠動作により、一定間隔で送受信する以外はスリープ状態となる。これにより受信時間を短くした。同じ920MHz帯を用いる「Wi-SUN」は常に受信状態であり、これに比べると消費電流は98%以上も削減した。

 しかも、Wi-SUN JUTAはビーコンをキャッチするまでは受信動作のみである。送信動作を最小限にすることで、ネットワーク上の端末数や通信回数が増えた場合でも、電波の占有時間を抑えることができ、安定した通信が行えるという。

消費電力と通信成功率の比較 出典:ローム

 この他、無線通信モジュールは最大4ホップまでのマルチホップ通信をサポートしている。これにより、最短となる経路が何らかの理由で利用できなくなっても、送信に必要なメッシュネットワークを再構築する。また、無線通信モジュール側にセキュリティ機能を内蔵している。このため、ホスト側で複雑な処理を実行しなくても、セキュアな通信を行うことが可能となった。

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