ローム、車載向けワイヤレス給電ソリューション:Qi規格に準拠、NFCにも対応
ロームは、NFC(Near Field Communication)に対応した車載向けワイヤレス給電ソリューションを開発した。
ST製NFCリーダーライターICやマイコンと組み合わせ
ロームは2019年1月、NFC(Near Field Communication)に対応した車載向けワイヤレス給電ソリューションを開発したと発表した。
車載向けワイヤレス給電ソリューションは、ロームが開発している、車載対応(AEC-Q100準拠)のワイヤレス給電制御IC「BD57121MUF-M」(送信側)と、STマイクロエレクトロニクス製のNFCリーダーライターIC「ST25R3941」および、制御用8ビットマイコン「STM8Aシリーズ」などでシステムを構成する。
このソリューションは、WPC(Wireless Power Consortium)のQi規格「EPP(Extend Power Profile)」に準拠している。供給電力は最大15Wで、マルチコイルタイプに対応することにより、充電可能な範囲はシングルコイルタイプに比べ2.7倍も広い。
また、NFC機能を組み合わせたことで、スマートフォンケースなどに挿入されたNFCカードを検知し、磁場による破壊を防止することができるという。しかも、機器への充電と同時に、車内のBluetooth/Wi-Fiネットワークへのペアリング動作を行うことも可能である。
開発した機能を搭載したレファレンスボードは今後、サンプル販売を予定している。「第11回 国際カーエレクトロニクス技術展」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)のブースにも展示する。既存の受電用ボード「BD57015GWL-EVK-002」と組み合わせることにより、WPC Qi規格EPPに準拠した車載用ワイヤレス給電システムを容易に実現することができるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ローム、車載スピードメーター向けレンズ付きLED
ロームは、車載スピードメーターのインジケーター光源用途に向け、小型で高出力のレンズ付きLED「CSL0901/0902」シリーズを発表した。 - ロームとGaN Systemsが協業、将来的に共同生産も
ロームとGaN Systems(ガンシステムズ)は2018年6月5日、GaN(窒化ガリウム)パワーデバイス事業における協業を開始したと発表した。 - 600億円の投資を始めるローム、SiCでトップ狙う
ロームは2018年4月10日、SiC(炭化ケイ素)パワーデバイスに関する成長戦略を説明した。2025年に市場トップとなる市場シェア30%の獲得を目指し、累積で約600億円の投資を行う方針だ。 - ローム、「地震」と「外来ノイズ」を正しく検知
ロームは、「CEATEC JAPAN 2018」で、地震を正確に検知することができる「地震検知センサーモジュール」や、センサーAFE向けFlexiblePlatform「BD40002TL」などのデモ展示を行った。 - ローム、低ノイズのCMOSオペアンプを開発
ロームは2018年7月、業界最高レベルの低ノイズを実現したCMOSオペアンプ「LMR1802G-LB」を開発したと発表した。光センサーやソナー、加速度センサーなどの微小な信号増幅用途に向ける - ロームがオーディオ向けブランドを始動、音質の秘訣は
ロームはオーディオ機器向けデバイス事業の推進に意欲を高めている。同社のオーディオIC製品ラインアップの中でも最高峰モデルとなる数種に、新ブランド「ROHM Musical Device『MUS-IC』」を冠し、オーディオ機器メーカーやエンドユーザーに対して技術力を訴求する。