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エッジAI向け低電力チップ、EUが総力を挙げて開発へ3年プロジェクトが発足(2/2 ページ)

ベルギーの研究機関imecをはじめとする19の研究機関および企業が、EUの3年間プログラム「TEMPO(Technology & hardware for nEuromorphic coMPuting)」で、複数の新しいメモリ技術をベースとした低消費電力のエッジAIチップの開発を進めているという。

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次世代不揮発性メモリの開発に焦点

 フラウンホーファーIPMS(Fraunhofer Institute for Photonic Microsystems)のディレクターであり、フラウンホーファーのマイクロエレクトロニクスグループの理事長も兼任するHubert Lakner教授は、「機械学習とパターン認識を成功させるための鍵となるのは、大規模なデータセットを大まかに確認できるアルゴリズムの性能である。これをハードウェアの観点から見ると、大規模なメモリブロックに迅速にアクセスできる必要があることを意味する。このため、TEMPOが焦点を当てるポイントとして、エネルギー効率に優れた新しい不揮発性メモリ技術や、新しいメモリ設計や処理手法、チップ上でのブロック処理などが挙げられる」と語った。

 CEA-LetiのCEOであるEmmanuel Sabonnadiere氏は、「新しいメモリに対応できる技術オプションを模索し、これを神経形態学的コンピューティングと組み合わせたいと考えている。欧州が良い立ち位置にいるエッジAI市場において、未来に備える必要があるだろう」と述べた。

 imecのCEOを務めるLuc Van den Hove氏は、「欧州で最も名高い研究センターであるCEA-LetiとFraunhoferをはじめ、欧州の関係者たちが集結し、エッジAI分野において欧州全体での幅広い取り組みに参加することができ、光栄に思っている。われわれの専門知識を組み合わせることで、個々に活動した場合よりも、将来性のある道のりを見通せるようになった。このため欧州が、AI分野の研究開発においてかじを取っていくことになるだろう。またわれわれは、既に水面下において、関与する複数のパートナー企業との間で双務的な合意に達している」と述べる。

 欧州のイノベーションプロジェクトであるTEMPOは、ECSEL JU(Joint Undertaking)から資金提供を受けている。ECSEL JUは、電気部品およびシステム向けの官民パートナーシップで、主要な実現技術(何らかを実現する技術)に向けた研究開発やプロジェクト向けに資金を提供している。

 TEMPOプロジェクトは、2019年4月に正式に始動し、今後3年間にわたり稼働する予定だ。19の参画メンバーを抱え、ベルギーからの唯一のコンソーシアムパートナーであるimecが全体を主導する。CEA-LetiやFraunhoferグループの他、STMicroelectronics、Valeo、Bosch、Infineon Technologies、TU Dresden、University of Zurichなどが名を連ねている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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