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日本電産、上期利益予想を前年比52.8%減に下方修正V字回復予測で、通期見通しに変更はなし(2/2 ページ)

 日本電産は2019年7月24日、2020年3月期第1四半期の決算説明会を都内で開催し、連結売上高は前年同期比3%減の3608億円、営業利益は同38.8%減の279億円、連結最終利益は同90.7%減の34億円となったと発表した。これに伴い、同社は上期(2019年4〜9月)の利益予想を前年比52.8%減の370億円に下方修正した。

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トラクションモーター受注が急増、車載分野でさらなる拡大

 同社は、2020年に向けた中期戦略目標「Vision2020」で、連結売上高2兆円を目指しているが、そのうち、車載分野の売上高目標を7000億円〜1兆円とするなど、車載関連を中核事業として展開している。

 永守氏は、今回の説明で、第1四半期にトラクションモーターの受注が急増したことに言及した。2019年4月時点での受注数量計画では2020年は20万台、2021年には21万台としていたが、7月時点で見ると、2020年に30万台、2021年には50万台と、直近3カ月間で受注数量が大幅に増加しているという。こうした中で、同社は、トラクションモーターの生産能力を考慮し、中国に第2工場、第3工場を新たに立ち上げることを決定している。永守氏は、「トラクションモーターの受注が殺到している。さらに第4、第5工場と、受注しながら考える必要がある」と話していた。


トラクションモーター受注が急増。生産能力の拡大を進めている(クリックで拡大)出典:日本電産

 また、同社は、2019年4月、オムロンの100%子会社で車載電装部品を手掛けるオムロンオートモーティブエレクトロニクス(以下、OAE)の買収を発表しているが、「OAEを買収していなければ、現在のようなトラクションモーターの受注はできなかった」と説明。同社は自社モーターやポンプ、ギアとECU(電子制御ユニット)などの各種エレクトロニクス製品を組み合わせる「モジュール化」を重視しており、「これから一挙にトラクションモーター用のECU開発が進んでいくだろう」とOAEとのシナジー効果への期待を示していた。

ADASでは売上高1000億円を目指す

 さらに、同社は、2025年度にADAS(先進運転支援システム)関連の売上高を1000億円とするという計画を明かした。


ADAS関連製品の売上高目標。大幅な拡大を計画している(クリックで拡大)出典:日本電産

 ハイエンドからローエンドまで幅広い製品の展開によって、日本、欧米、中国のOEMから受注や新規引き合いが殺到しているといい、永守氏は、「ADASはマージンが高い。標準化が進み、全ての車に搭載されていくものであり、これから発表するごとに、数字が上がっていくだろう」と話していた。

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