三菱電機、インバーター用パワー半導体モジュール:低ノイズと低電力損失を両立
三菱電機は2019年8月、白物家電や産業用モーターのインバーター駆動用として小型パワー半導体モジュール「DIPIPM Ver.7」を発表した。
従来品と比べ上限保証温度を25℃拡大
三菱電機は2019年8月、白物家電や産業用モーターのインバーター駆動用として小型パワー半導体モジュール「DIPIPM Ver.7」を発表した。2019年10月29日より発売する。
新製品は、キャリア蓄積効果を利用した「CSTBT」構造の新型IGBTを開発し搭載した。これにより、従来のDIPIPM Ver.6と同等の低電力損失を実現しながら、低ノイズを達成している。これまで基板上に実装していたノイズ対策部品などを削減することができるため、インバーターの小型化や部材コストの節減が可能となる。
新製品は上限保証温度も高めた。動作モジュール温度は最大125℃、接合温度は最大175℃である。この結果、インバーターシステムの放熱設計も自由度が増した。IGBTチップの接合部とケース間の熱抵抗は、従来に比べて約28%低減するなど、IGBTチップの温度上昇も抑制している。
新製品は、IGBTチップの他、FWDチップ、HVICチップ、LVICチップ、制限抵抗付きBSDチップなどをワンパッケージに集積した。また、短絡保護や制御電源電圧低下保護、過熱保護またはアナログ温度出力などの機能を内蔵している。
新製品の外形寸法は24.0×38.0×3.5mmで、端子配置などもDIPIPMシリーズの従来製品と互換性を維持している。新製品は定格電圧が600V。定格電流は10A品、15A品、20A品および、30A品の4製品を用意した。サンプル価格(税別)はそれぞれ、1200円、1500円、1700円、2200円である。
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