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コラム

半導体製造プロセスは継続的な進化を実用化されたEUV(2/2 ページ)

EUV(極端紫外線)リソグラフィの開発プロセスは、長期にわたって難しい道のりを進んできた。EUV開発については、EUVの新しいパターニング性能を採用するかしないかによって、半導体チップ製造プロセスが将来的にどのような技術になるのかを、一歩引いた所から検討する必要があるのではないだろうか。

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5nmへの移行

 この他の比較点としては、7nmから5nmへの移行が挙げられる。近年では、実質的に新しいプロセス技術が進展するたびに、193nm液浸ツールよりもはるかに大きな利用価値を実現すべく、さらに複雑化した新しいリソグラフィ戦略が求められてきた。それを成し遂げた優秀な研究者やエンジニアたちは、大きな称賛に値する。そのアイデアや創造力により、193nmは予想を超える長期間にわたり使われ続けている。しかし、こうした進化を、許容範囲内のスケジュールで維持していくことは極めて難しい。

 一方、EUVの採用により、新しい世代のプロセス技術をそれぞれ再設計する必要がなくなるため、7nm/5nmプロセス(およびその後継技術)で設計ルールを共有できるようになる。このような手法により、新構造への移行期間を大幅に短縮し、新たな選択肢や機会を市場に迅速に提供できるようになる。

 つまり、半導体メーカーにとって、EUVを採用せずに前進していくことは理論的には可能だが、このような強力かつ堅牢な技術は、月を追うごとに説得力を増し、最先端の半導体コミュニティーにとって不可欠なものとなっている。

 半導体業界は現在、かつてないほどの規模に拡大し、重要性も高まっているが、ここで、EUV移行の基本的な原動力は、慣れ親しんだものであるということを忘れてはならない。半導体製造の歴史は、AlやCu、HKMG(high-k/メタルゲート)などさまざまな材料からの絶え間ない技術移行だったと言える。先人たちは、このような難しい課題を克服し、リスクとメリットのバランスをうまく取ってきた。そしてわれわれは、今後何年もの間、このような移行が続いていくことを期待している。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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