キオクシアは2019年10月10日、建設中だった北上工場の第1製造棟が完成した、と発表した。
新製造棟では、データセンター、スマートフォン、自動運転向けを中心に需要の拡大が見込まれる3次元構造のNAND型フラッシュメモリ(以下、3D NANDフラッシュ)を生産するとしている。現在、生産ラインの立ち上げを進めており、生産開始は2020年を予定している。
キオクシア(当時は東芝)は、2017年9月、3D NANDフラッシュの需要拡大に備え、この新製造棟を建設すること発表。同年12月に完全子会社のキオクシア岩手(当時は東芝メモリ岩手)を設立している。建設にあたっては四日市工場を共同運営するWestern Digital(ウエスタンデジタル)も参画。両社の共同設備投資は、2020年から予定している96層3D NANDフラッシュメモリの生産に向けたものだ。
新製造棟は、同社の製造棟として最大規模となるといい、免震構造の採用しているほか、AIを使った製造プロセスや新規の省エネ対応システムも導入しているという。
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