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ソニー、イメージセンサー絶好調で長崎に新工場建設売上高、営業利益ともに分野では過去最高

ソニーは2019年10月30日、本社(東京都港区)で行った2019年3月期(2019年度)第2四半期(7〜9月)の連結業績発表で、長崎の拠点にイメージセンサーの製造棟を新設することが決定した、と明かした。2019年12月着工、2021年4月の量産開始を予定している。

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 ソニーは2019年10月30日、本社(東京都港区)で行った2019年3月期(2019年度)第2四半期(7〜9月)の連結業績発表で、長崎の拠点にイメージセンサーの製造棟を新設することが決定した、と明かした。2019年12月着工、2021年4月の量産開始を予定している。

イメージセンサー絶好調で見通しを上方修正


ソニーの専務CFO、十時裕樹氏

 ソニーでは、モバイル機器向けのCMOSイメージセンサーの販売数量増加、製品ミックスの改善によって、イメージセンシング&センシングソリューション(I&SS)分野の2019年度第2四半期売上高が前年同期比563億円増の3107億円、営業利益も同285億円増の764億円で、大幅な増収増益となった。この売上高、営業利益はともにI&SS分野の四半期業績では過去最高となるという。I&SS分野の売上高全体のうち、イメージセンサーの売上高は2748億円だった。こうした状況から、同社は、同分野の2019年度通期の見通しについて、2019年7月時点から売上高を500億円増の1兆400億円、営業利益を550億円増の2000億円に上方修正した。


イメージセンシング&センシングソリューション(I&SS)分野の業績と見通し(クリックで拡大)

 同社の専務CFO(最高財務責任者)、十時裕樹氏は、「イメージセンサーの需要は2020年度以降もスマートフォンカメラの多眼化、大判化の進展で引き続き伸長するとみている」と述べ、「例年上期より需要が低い下期について、現時点でも慎重に売上高を見込んでいるが、生産設備はフル稼働を継続し、2020年度の需要に向けた戦略在庫を積む計画だ」と説明した。

 また、2021年3月までにウエハーベースで月産13万枚にする、としてきた従来の生産能力拡張計画を月産13万8000枚まで引き上げる方針を示したうえで、2021年度以降の需要増に対応するため、「これまで検討中としてきた長崎工場における増設棟投資について、段階的に実行に移すことにした」と新製造棟の建設決定を明かした。具体的な設備投資額などについては明言を避けたが、「現在の中期計画の3年間でイメージセンサーへの設備投資額は7000億円程度と話してきたが、それが数百億円増加する可能性があると考えている。イメージセンサーの需要が大きく、2021年度からの中期計画で計画していた投資を一部前倒しする可能性はある」と説明した。


発表では、生産能力の拡大と、増設棟の建設決定を明かした(クリックで拡大)

 十時氏は、これらの施策によって、「2019年5月のSony IR Day 2019に中長期目標として掲げた、2025年度におけるイメージセンサーの金額シェア60%、I&SS分野としてROIC(投下資本利益率、Return on Invested Capital)20〜25%の達成に向けて、当事業の成長に引き続き注力する」と方針を示した。

 同社の2019年度第2四半期の連結売上高は、前年同期比3%減の2兆1223億円、営業利益は同16%増の2790億円、純利益は同9%増の1879億円だった。

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