連載
第5世代(5G)移動通信システムが2020年代の通信を支える:福田昭のデバイス通信(209) 2019年度版実装技術ロードマップ(20)(2/2 ページ)
電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」の概要をシリーズで伝えている。今回から「第5世代(5G)移動通信システム」の内容を説明していく。
5Gで通信の速度は10倍、遅延時間は10分の1、同時接続数は10倍に
第2世代(2G)から第4世代(4G)までの移動通信システムの開発では、通信の高速化と大容量化に重点が置かれてきた。これに対して第5世代(5G)の移動通信システムでは高速化とともに、通信の遅延時間を短くする「低遅延」と、同時に接続する機器数を増やす「多数同時接続」の2つの特長を備える。
第5世代(5G)の移動通信システムでは通信速度が10倍に高まり、通信の遅延時間は10分の1に短くなり、同時接続数(単位面積当たり)は10倍に増加するとされる。具体的には、通信速度は4Gの1Gビット/秒から5Gでは10Gビット/秒に向上し、遅延時間は4Gの10ミリ秒から5Gの1ミリ秒へと短縮され、同時接続数(平方キロ当たり)は4Gの10万台から5Gの100万台へと増加する。
低遅延と多数同時接続により、5G移動通信システムは応用範囲を広げる。遠隔地からリアルタイムの制御を実行したり、IoT端末と無線センサー端末のバックボーンとして機能したりすることが期待される。
(次回に続く)
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