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「Mate 30 Pro」でHuaweiが見せた意地? 米国製チップの採用が激減製品分解で探るアジアの新トレンド(44)(4/4 ページ)

今回は、Huaweiのフラグシップモデル「Mate 20 Pro」「Mate 30 Pro」を取り上げる。この2機種を分解して比較すると、米国製半導体の採用が大幅に異なっていることが分かる。最新のMate 30 Proでは、極端に減っているのだ。

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「Mate 30 Pro 5G」の基板構造

 図7は、Mate 30 Pro(2019年第3四半期発売)に続いて発売された「Mate 30 Pro 5G」(同年第4四半期発売)との比較である。ともに同じ外観や機能を持つスマートフォンだが、名前の通り後者は5G通信機能を備えている。


図7:Mate 30 Proと「Mate 30 Pro 5G」の基板の比較 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 基板の一部以外はほぼ同様の構造となっている。基板は、形状や端子位置はほぼ同じだが、通信の一部が2階建ての基板構造になっていて、4GのみのMate 30 Proでは2階建ての部分が2カ所ある。2階にはToF(Time of Flight)関連やRF関連などのチップやセンサーが配置されている。一方、Mate 30 Pro 5Gでは2階建て部が3カ所あり、さらにノイズ影響を受けやすい端子が2階に移されている。大きなノウハウがあるようだ(理由はほぼ分かっているが、詳細は省略)



 さて、2019年最後の分解記事となる今回は、米中問題を象徴するHuaweiの最新スマートフォンを取り上げた。

 今回報告したように、システムの内部は、Huaweiだけでなく、他のメーカーの電子機器でも大きく変化した1年であった。中身を総入れ替えした製品もいくつかある(ノイズキャンセルヘッドフォンなど)。テレビなども構造が変わり始めている。2020年は、このあたりも注目していきたいと思っている。

 弊社は現在、ネットワーク(交換器)や顔認証(監視カメラ)なども続々と手配し、2020年にはさらに踏み込んだ解析や調査をしていく予定である。10万円クラスのAIカメラなども数機種入荷しているので、2020年早々には報告できる可能性がある(メイン業務の進捗次第……)。

 2020年も、中国のみならず海外の話題の製品を片っ端から分解し、解析していきます。今後ともよろしくお願いいたします。また興味のある方は、お気軽にテカナリエにお問い合わせください!

執筆:株式会社テカナリエ

 “Technology” “analyze” “everything“を組み合わせた造語を会社名とする。あらゆるものを分解してシステム構造やトレンドなどを解説するテカナリエレポートを毎週2レポート発行する。会社メンバーは長年に渡る半導体の開発・設計を経験に持ち、マーケット活動なども豊富。チップの解説から設計コンサルタントまでを行う。

 百聞は一見にしかずをモットーに年間300製品を分解、データに基づいた市場理解を推し進めている。


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