世界半導体製造装置市場、2019年は前年比10%減:SEMIが年末市場予測を発表
SEMIは2019年12月10日、世界半導体製造装置の年末市場予測を発表した。これによると、2019年の販売額は576億米ドルの見込みで、過去最高額を記録した2018年に比べると10.5%の減少になる。
2021年には過去最高額を更新、中国が最大市場に
SEMIは2019年12月10日、世界半導体製造装置の年末市場予測を発表した。これによると、2019年の販売額は576億米ドルの見込みで、過去最高額を記録した2018年に比べると10.5%の減少になる。2020年にはサブ10nm装置への投資が見込まれることから、装置需要は回復に転じ、2021年には過去最高額を更新すると予測した。
装置別の市場規模を見ると、ウエハープロセス処理装置や設備装置、マスク/レチクル製造装置といったウエハーファブ装置は、2019年に499億米ドルが見込まれる。これは前年比9%の減少となる。組み立ておよび、パッケージング装置は29億米ドルで同26.1%の減少である。半導体テスト装置は48億米ドルで同14%の減少となる見通し。
地域別の市場規模では、2019年に台湾市場が前年比53.3%と大きく伸びた。この結果、韓国市場を抜き、再び最大の装置市場となる。中国市場も2年連続で2位をキープしている。韓国の市場規模は2017年、2018年と連続で首位となったが、2019年は設備投資の減少により、3位に後退した。
2020年は、先端ロジックやファウンドリを中心にサブ10nm装置への投資が活発になる。また、中国で新規プロジェクトへの投資などが計画されており、半導体製造装置市場は前年比5.5%増の608億米ドルに回復すると予測した。地域別の市場規模は、台湾が154億米ドルで最大市場に変わりはないが、中国の市場規模も149億米ドルとなり台湾に迫る。韓国の市場規模は103億米ドルでこれらの地域に続く。
2021年は、調査対象の全てのセクターが成長し、メモリへの投資も本格的に回復すると予測した。この結果、半導体製造装置の市場規模は668億米ドルとなり、過去最高額を更新することになる。特に中国市場での装置販売額は160億米ドルを超え、台湾や韓国を抜き最大市場となる見通しとなった。
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