全ての負荷容量領域で安定動作するオペアンプ:コンデンサー不要(2/2 ページ)
ロームは「オートモーティブ ワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)に出展。独自技術「Nano Cap」を用いた最初の製品として、高速グランドセンスCMOSオペアンプ「BD77501G-TR」の展示を行った。Nano Cap技術を用い、全ての出力負荷領域で位相余裕0度以上を実現したもので、2020年夏にサンプル提供を開始する予定としている。
車速にあわせてリアルな疑似エンジン音を合成
車両接近通報装置(AVAS)向けとして、ロームグループのラピスセミコンダクタが新たに開発している音声合成LSI「ML2212x」の展示も行われていた。
ハイブリッド車や電気自動車(EV)などはモーター駆動のためエンジン音がせず、歩行者が気付かずに事故となる危険性あることから、日本を含めた世界でAVASの搭載が義務化されている。その通知音について近年、「リアルなエンジン音」の要求が高まっていることから、同社が開発を進めているのがML2212xだ。
ML2212xの大きな特長は、そのエンジン音作成の仕組み。自然なエンジン音の変化を表現するためには、車速に合わせた音の変化への対応が求められるが、既存のICでは、入力される車速情報にあわせ、何十段階かの決まった音声を作りこむ必要があったという。一方、ML2212xの内蔵メモリに保存されているのは、1秒未満の身近な疑似エンジン音のみ。検知した車速情報に応じて連続する音の長さや音量などを変えることで、自然な音の変化を作り上げることを実現し、リアルかつ容易な音作りを可能したという。ML2212xは2021年中のサンプル出荷を目指している。
その他、ブースでは、最大2.8W出力の小型スピーカーアンプ「BD783xxEFJ-M」シリーズに関するデモや、ロームが東京大学などと共同開発を行っている第3世代ワイヤレス給電インホイールモーターの展示などを行っていた。
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