「いま一度創業時の原点に回帰」ローム、松本新社長:ローム社長交代
ロームは2020年5月11日、社長を務める藤原忠信氏が退任し、取締役常務執行役員品質・安全・生産担当の松本功氏が社長に就任したと発表した。
ロームは2020年5月11日、社長を務める藤原忠信氏が退任し、取締役常務執行役員品質・安全・生産担当の松本功氏が社長に就任したと発表した。就任にあたり松本氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応などの課題に触れ、「創業以来の不屈のチャレンジ精神と不退転の決意で取り組む」と述べた。
同日開催の取締役会で決議した。藤原氏は取締役にとどまるが、同年6月26日の株主総会終了後に取締役も退任する予定となっている。
松本新社長は1961年1月25日生まれ。福岡市出身で九州工業大学金属加工学科卒業後、1985年にロームに入社。ローム浜松のLSI生産本部長やROHM Electronics PhilippinesのLSI生産本部長などを務めた後、2013年には取締役LSI生産本部長に就任。その後、2016年には取締役LSI生産本部長兼LSI商品開発本部長となり、2019年から取締役常務執行役員品質・安全・生産担当に就任している。
社長交代にあたり、両氏はそれぞれ以下のように述べている。
松本新社長のコメント
ロームは、創業以来50年以上にわたって、創業者である佐藤研一郎のリーダーシップのもとで、「品質を第一とする。文化の進歩向上に貢献する」といった『企業目的』を礎に、常に、何事にも屈しないチャレンジ精神を持って難題に取り組み、半導体事業への進出のほか、火事やオイルショックといった困難を乗り越え、成長してきました。その後、経営方針を引き継ぎ、自動車、産業機器向け市場へのシフト、またパワー、アナログ技術を軸とした新製品の開発に注力、次なる発展への基礎を築いてきました。
いま一度創業時の原点に回帰し、チャレンジ精神をもって、改革を続けていきます。
折しも、新型コロナウイルスの影響で、エレクトロニクス業界だけでなく、世界経済全体が混乱の渦の中にあります。次なる成長に向けて、お客様の求める商品の開発とモノづくりで、顧客満足度を高めて業績を成長させること、新型コロナウイルスという今の難局を乗り越えること、この2つの大きな課題に、創業以来の不屈のチャレンジ精神で、また不退転の決意で取り組んでまいります。
皆さまの、温かいご支援とご指導を、何とぞよろしくお願い申し上げます。
藤原前社長のコメント
2018年に社長に就任した時から、役員定年規定を考慮して長くはやらない、との意思で2年後をめどに改革に取り組んできました。
この2年間は、長期的成長をするために商品開発の組織改革、中国含めた海外の営業体制を強化して長期的なデザインインの仕事ができる体制としました。
効果はすでに出始めており、2023〜24年のセット向けにキーデバイスの受注が決まってきており心強い状況です。
最後に残ったのが製造改革で、今回の新型コロナウイルス対応では苦戦しており、BCP対応が十分ではなかったと考えています。ただ、それも専門家である松本新社長が、自動化/省人化に投資し、段違いの品質を誇る工場にしていくことで、真のモノづくり企業として、より一層強くなると確信しております。
また、松本新社長を中心に、当社が初めて取り組んでいる中期経営計画を成功させ、人財豊富でやる気のある若手の活躍できる会社に、また良い会社にしていってくれることを願っております。
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