「期初予想はるかに上回る」CIS大幅増収、ソニー:2020年度通期見通しは未定(2/2 ページ)
ソニーは2020年5月13日、2020年3月期(2019年度)通期決算を発表した。CMOSイメージセンサーが中心となるイメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の売上高は、前期比22%増の1兆706億円、営業利益は同917億円増の2356億円となった。スマートフォンなどモバイル機器向けで大幅増収した。
営業利益へのCOVID-19影響は682億円と試算
同社は、COVID-19感染拡大による2019年度営業利益へのマイナス影響額が全体で682億円に上ったと試算。同社は2019年度第3四半期の決算発表時に通期営業利益見通しを上方修正した際に、「COVID-19の影響がこの上方修正分を打ち消す規模になる可能性がある」と説明していたが、十時氏は、「結果としてこれを上回る影響があった」と説明した。要因としては、EP&S分野で中国/マレーシアの製造事業所の稼働停止による供給不足や世界各国のロックダウンによる需要減などを要因として挙げている。好調だったI&SS分野でも、顧客の稼働停止などによる需要減から84億円のマイナス影響があったという。
2020年度見通しは未定
また、2020年度の連結および分野別業績見通しは、「新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現時点で合理的な算定が困難であるため未定とする。今後、合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示する」と説明。2020年8月初旬に実施する2020年度第1四半期決算発表の際に示す予定とした。
ただ、営業利益については、「2020年度第1四半期中はCOVID-19感染拡大が続きヒト/モノの移動が制限され事業活動への制約が続く」「2020年6月末に感染拡大はピークアウトし、2020年度第2四半期中にヒト/モノの移動制限が緩和され、事業活動も段階的に正常化に向かう」「第2四半期末にはCOVID-19の影響はほぼなくなり、第3四半期には事業活動は正常な姿に戻る」などの前提条件を置いたうえでの試算(金融分野を除く)として、「現時点において、2019年度実績から少なくとも3割程度の減益と試算している」と示した。
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