5G対応スマホ向けSoC、MediaTekが日本市場で販売:フラグシップ用など3タイプ
MediaTekは、5G(第5世代移動通信)対応スマートフォン向けSoC「Dimensity 5Gファミリー」について、日本市場での販売を始める。
7nmプロセス技術を適用、主な機能を1チップに集積
MediaTekは2020年6月、5G(第5世代移動通信)対応スマートフォン向けSoC「Dimensity 5Gファミリー」を日本市場で発売すると発表した。
新たに販売するのは3タイプ。フラグシップモデル向けの「Dimensity 1000+」および、プレミアムモデル向けの「Dimensity 820」とミッドレンジモデル向けの「Dimensity 800」である。いずれも7nmプロセス技術を適用した製品となっている。キャリアアグリゲーションやデュアル5G SIM、5G NR接続などに対応しつつ、電力効率を最適化する独自の「5G UltraSave」技術を搭載した。
「Dimensity 1000+」は、リフレッシュレート144Hzのモニターに対応した他、動画再生品質を向上させる「MediaTek MiraVision」や、ゲーム機能を強化するための「MediaTek HyperEngine 2.0」、カメラ機能を強化するための「MediaTek Imagiq」といった機能を1チップに統合している。
具体的には、5Gモデム、動作周波数が最大2.6GzのArmコア「Cortex-A77」などで構成される8個のCPU、「Mali-G77」で構成する9個のGPU、AI処理能力が4.5TOPSの「MediaTek APU 3.0」および、最大80MPカメラと4K HDRビデオ録画に対応できる「HDR-native ISP」などを1チップに集積した。
Dimensity 820は、8コアで構成するCPUのうち、4コアは動作周波数が2.6GHzの「Cortex-A76」を用い、高い性能と応答性を実現した。5コアGPUとリフレッシュレート120Hzのモニターをサポートしたことで、「MediaTek HyperEngine 2.0」は、レベルの高いゲーム体験を可能にした。もちろん、5Gモデムや「MediaTek APU 3.0」「MediaTek MiraVision」「MediaTek Imagiq」「HDR-native ISP」なども搭載している。
Dimensity 800も、8コアで構成するCPUのうち、4コアは「Cortex-A76」を用いている。リフレッシュレート120Hzのモニターを利用したゲームや、さまざまなAIカメラオプションを楽しむことができるという。
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