ローム、1608サイズで高信頼の青緑色LEDを開発:カラーユニバーサルデザイン対応
ロームは、外形寸法が1608サイズで、特殊波長の青緑色チップLEDを開発したと発表した。多様な色覚に配慮したカラーユニバーサルデザイン対応機器に向ける。
カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)の認証も取得
ロームは2020年6月、外形寸法が1608(1.6×0.8mm)サイズで、特殊波長の青緑色チップLED「SMLD12E2N1W/SMLD12E3N1W」を開発したと発表した。多様な色覚に配慮したカラーユニバーサルデザイン対応機器に向ける。
新製品は、発光波長(λD)が505nmで光度120mcdのSMLD12E2N1Wと、同じく496nmで85mcdのSMLD12E3N1W。発光色は「ブルーグリーン」や「シアン」と呼ばれる青緑である。いずれも、1608サイズのLED製品では初めて、第三者認証機関であるNPO法人「カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)」の認証を取得したという。
同社が供給している発光波長470nmの青色LED「SMLD12BN1WT86」や、暖色系LEDである「SML-D15YW」(発光波長590nm)あるいは「SML-D15DW」(同605nm)などと組み合わせた配色パターンにより、カラーユニバーサルデザイン対応の機器を開発することができる。
また、新製品を含む「SMLD12シリーズ」は、新しい樹脂を採用したことで、高い信頼性を実現している。例えば、従来のエポキシ樹脂を用いた製品に比べて、約20倍の長寿命化を達成した。また、モールド強度は、従来のシリコーン樹脂を用いた製品に比べて約25倍も改善できたという。車載信頼性規格「AEC-Q102」準拠の製品も用意している。
新製品は、2020年4月より月産100万個体制で量産を始めた。サンプル価格(税別)は60円。火災報知システムなど操作パネルの表示灯や、産業機器の安全性を示す警告ランプ、公共交通機関などの施設における情報掲示、といった用途に提案していく。
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