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米議員、半導体強化に向けた法案を提出最大40%の投資税額控除

米国は、半導体製造の復活に向けて新たな取り組みを開始した。基礎研究から先進のパッケージング技術まで、半導体エコシステム全体で“ポストムーア”の時代の技術革新を促進するために、数十億米ドルの投資と税制上の優遇措置が議員から提案された。

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 米国は、半導体製造の復活に向けて新たな取り組みを開始した。基礎研究から先進のパッケージング技術まで、半導体エコシステム全体で“ポストムーア”の時代の技術革新を促進するために、数十億米ドルの投資と税制上の優遇措置が議員から提案された。


画像はイメージです

 トランプ政権は、輸出規制によって中国による米国製半導体製造装置の利用を阻止しようとしている。一方、今回提出された「CHIPS(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors) for America」法案は、国内の半導体製造を復活させ、研究開発に資金を提供し、技術サプライチェーンを確保することを目指している。

 CHIPS for Americaは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で明らかになった米国の半導体製造とサプライチェーンの脆弱性を復活させるための、米国の新たな取り組みを示すものである。

 同法案には、米国内のIC製造業への投資に対するインセンティブ、特に2024年まで有効な40%の投資税額控除が含まれている。この控除は2027年に段階的に廃止される。

 業界団体のSEMIは、同法案を支持するにあたり、「他国には強力なインセンティブがあり、米国には連邦政府のインセンティブがないことが、半導体製造施設の海外設立を促進する主な要因となっている」と指摘する。

 CHIPS for Americaは、マーケティングとは別に、米国防総省が既に実施しているエレクトロニクスの「復活」に向けた取り組みに少なくとも120億米ドルを投入する他、半導体の研究開発に向けてその他の連邦政府機関に50億米ドルを投資することを提案している。50億米ドルという最大の資金は、ICパッケージングおよびアセンブリの研究機関に提供される。また、この取り組みでは、「国内の先進的なマイクロエレクトロニクスのパッケージングエコシステム」を支援するための5億米ドルの投資ファンドも創設されるという。

 トランプ政権の再選に重要なフロリダ州でも、これとよく類似した別のパッケージング技術に関する取り組みが行われており、デジタルツイン技術を活用してマイクロエレクトロニクスのサプライチェーンを保護するために国防総省が産業基盤ファンディングを実施している。小規模だが成長軌道にあるフロリダの非営利団体でマイクロエレクトロニクス技術の開発を手掛けるBRIDGは最近、半導体設計や製造プロセスのデータ収集に向けて米空軍研究所から750万米ドルの契約を請け負ったという。

 BRIDGは、ベルギーの半導体研究開発機関であるimecからライセンス供与を受けて、シリコンインターポーザーの製品設計キットを開発している。

 米商務長官であるWilbur Ross氏は2020年6月12日、フロリダ州キシミー近郊にあるBRIDGの施設を視察し、「中央フロリダは、米国のマイクロエレクトロニクス製造のサプライチェーンと防衛航空宇宙産業の顧客にとって非常に重要である」と述べている。BRIDGは、imecの他、Lockheed MartinやL3Harris、東京エレクトロン、フロリダ州とパートナーシップを結んでいる。

 半導体製造と技術サプライチェーンの強化に関する動きが活発化している要因は、半導体技術をめぐる米中の対立にある。

 米国の半導体製造の強化に向けて、政府と議会が最近、さまざまな取り組みを行っていることは、半導体技術の戦略的な重要性を示している。ワシントンに拠点を置く政策研究に関する超党派の非営利組織Center for Strategic and International Studiesで技術政策プログラム担当ディレクターを務めるJames Lewis氏は、「米中間でテクノロジー冷戦が激化する中、半導体は戦略的な重要ポイントである」と述べている。

 SIA(Semiconductor Industry Association)のCEOであるJohn Neuffer氏は、「ライバル各国が大規模な投資をして先進的な半導体製造を自国に誘致する中、米国はこの戦略的に重要な技術を生産する競争力のある国にしなければならない」と付け加えた。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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