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HDD大手SeagateとWDの2020会計年度業績、売り上げはいずれも約1%増に:福田昭のストレージ通信(169)(2/2 ページ)
今回は、Seagate TechnologyとWestern Digital(WD)の2020会計年度の業績を紹介しよう。
WDの営業利益は前年の3.85倍に拡大
ここからはWDの年度業績を説明しよう。WDの売上高は前年比1.0%増の167億3600万米ドル、営業利益(GAAPベース)は前年の3.85倍である3億3500万米ドルとなった。粗利益率(GAAPベース)は22.6%で前年と変わらない。売上高営業利益率は2%とかなり低い水準にある。前年の売上高営業利益率はさらに低く、0.5%しかなかった。
WDのストレージ事業は主に、NANDフラッシュメモリ応用品(フラッシュ応用品)とHDD製品で構成されている。売上高の比率はおおよそ47対53である。ただし四半期ベースでは、フラッシュ応用品の変動が大きい。
過去3年で見ると、フラッシュ応用品の売り上げが最低だったときは15億600万米ドル(2019年6月四半期)、最高だったときは26億4200万米ドル(2017年12月四半期)で、1.75倍の開きがある。HDD製品の売り上げが最低だったときは20億4900万米ドル(2020年6月四半期)、最高だったときは27億5400万米ドル(2018年6月四半期)で、両者の開きは1.34倍と少ない。
(次回に続く)
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