Intel、第11世代Coreプロセッサの技術詳細を語る:新技術「SuperFinテクノロジー」採用(3/3 ページ)
Intelの日本法人インテルは2020年9月3日、オンラインで開催した事業説明会において、第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)の技術詳細について説明した。
Willow Cove、Iris Xeグラフィックスの中身
Willow Coveコアの詳細については下図の通りだ。Sunny Coveアーキテクチャをベースに開発し、前世代から動作周波数を900MHz高め、キャッシュメモリも増加させた。また、「Control Flow Enforcementテクノロジー」搭載によりリターン/ジャンプ指向の攻撃に対するセキュリティ強化も行っている。
GPUコア「Iris Xeグラフィックス」についてもSuperFinテクノロジーによって、ワット当たりの性能を大幅に向上。また、EUの数も前世代から50%増の最大96基まで増やしたほか、キャッシュも増加。メモリとファブリックの効率化によって帯域幅も増しており、「エントリーレベルのディスクリートグラフィックスとほぼ同程度の性能が出せる。特にゲーム関係では薄型、軽量のプラットフォーム上でゲームを楽しんでもらえるような環境になるだろう」と説明していた。
その他プラットフォーム全体について、ファブリックとメモリ、ディスプレイ、イメージング、GNA2.0、I/O、パワーマネジメントに関してそれぞれ下図で紹介。ファブリック、メモリの帯域幅増加や、IPU(Image Processing Unit)6.0による動画4K/90fps、静止画4200万画素までのサポートおよび、Thunderbolt 4とUSB4サポートの統合、GNA2.0の搭載によるAI処理の低負荷、高速化、CPUにPCIe Gen4を4つ統合、などの特長が説明された。
また、AI処理についてもGNA2.0のほか、「DLブースト:DP4A」「DLブースト:VNNI」の3機能による性能の向上について説明。ここでも「Core i7-1185G7」とAMDの「Ryzen 7 4800U」との比較を用いてその性能をアピールしていた。
なお、この説明会では、7nmプロセスでの量産時期の遅れがIntelの製品戦略に影響を与えるかという質問が出たが、同社は、「今回のSuperFinテクノロジーでもわかるように、製品として必要なパフォーマンスを出すための手法は、プロセスの進化だけでなくサポート可能だ。製品プランは引き続きそのまま遂行する予定だ」と回答した。
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