自動運転レベル2以上車両、2045年までに1億台超え:富士キメラ総研が調査
富士キメラ総研は、自動運転車の世界市場を調査した。2045年には、自動運転レベル2以上に対応した車両の生産台数が1億3552万台に達する見通しだ。
2040年代は高機能レベル2対応車両が自動運転車の主流へ
富士キメラ総研は2020年9月、自動運転車の世界市場を調査し、その結果を発表した。2045年には、自動運転レベル2以上に対応した車両の生産台数が1億3552万台に達すると予測した。このうち、レベル3対応の車両が4280万台、レベル4/5対応の車両が2139万台になると見込まれている。
今回の調査は、自動運転車の市場を自動運転レベル別に調査。レベル3以上に対応した車両は、地域別の市場も予想した。また、関連製品としてADAS/自動運転制御ECUやテレマティクス制御ECUなど5品目の自動運転制御製品、セルラーモジュールやディスプレイなど7品目のコックピット関連製品および、LiDARやセンシングカメラなど12品目のセーフティ関連製品についても調べた。調査期間は2020年4〜6月。
世界的に拡大する新型コロナウイルス感染症の影響もあり、2020年の自動車の生産台数は前年に比べ減少が予想されている。このため、調査対象となる自動運転レベル2以上に対応した車両の生産台数も伸び率は鈍化するとみている。
調査結果によれば、レベル2に対応した車両の市場は、2020年見込みの724万台に対し、2025年は4766万台、2030年は6037万台、2045年には7133万台と予測した。当面はレベル2に対応した車両が自動運転車全体の市場をけん引するという見方である。
ただ、レベル2対応車両でも、高機能化が進む。従来のAEB(衝突被害軽減ブレーキ)やACC(車間距離制御装置)、LKA(車線維持走行支援)といった機能に加え、車線変更支援や限定条件下でのハンズフリー機能などを搭載した車両である。今回の調査では、これらを「高機能レベル2」対応車両と位置付け、一般的なレベル2対応車両の内数として算出した。
これによると、高機能レベル2対応車両は2025年に487万台、2045年には5706万台に達するなど、2040年代には自動運転車の主流になると予測した。高機能レベル2対応車両が増加する理由として、レベル3対応車両への移行に対する課題を挙げる。「法整備の遅れ」や「車両価格の上昇」などである。
レベル3に対応する車両は、2025年ごろから高速道路の走行に限定した車両が登場し、生産台数は2030年に571万台、2045年には4000万台を超える見通し。レベル4/5に対応する車両は、2045年に2000万台を超えると予測した。
自動運転レベル3以上に対応する車両の地域別市場も調査した。この結果、普及促進に取り組む欧州市場が、レベル3以上の車両生産をけん引する見通しだ。自動運転車やEV、MaaSの普及を同時に進めることで、ディーゼル車を中心とした従来ビジネスから、新たなビジネスモデルに大きくかじを切る。中国や北米でも自動運転レベル3以上に対応した車両への関心は高い。このため、2030年代前半にはレベル3以上に対応する車両は全世界で1000万台を超えるとみている。
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