コイン電池1個で10年動作、Bluetooth 5.2対応モジュール:Silicon Labsが発表
米Silicon Laboratories(Silicon Labs)は2020年9月9日(米国時間)、Bluetooth 5.2に対応する無線通信モジュール「BGM220S」「BGM220P」を発表した。
技適を取得済みのBluetooth 5.2対応モジュール
米Silicon Laboratories(Silicon Labs)は2020年9月9日(米国時間)、Bluetooth 5.2に対応する無線通信モジュール「BGM220S」「BGM220P」を発表した。
2つとも、Silicon LabsのBluetooth SoC(System on Chip)の「BG22」をベースに、アンテナの他、DC-DCコンバーターIC、水晶発振器、受動部品といった周辺部品を搭載した製品だ。既存品では85℃だった最高動作温度を105℃に引き上げたことで、照明などの用途にも使えるようになった。さらに、日本の技適も取得済みだ。送信パワーは、BGM220Sが最大+6dBm、BGM220Pが最大+8dBm。
サイズは、BGM220PがPCBモジュールとして一般的な13×15mmなのに対し、BGM220Sは6×6mmのSiP(System in Package)となっている。Silicon Labsの担当者は「BGM220Pを使えば、非常に安価にBluetooth 5.2対応機器を開発できる。BGM220Sは、ウェアラブル機器など小型の機器に適している」と説明する。
長寿命のSoCがベースに
EFR32BG22は、Silicon Labsが提供するBluetooth 5.1以降に対応するSoCで、「BG13」「BG21」に続くシリーズだ。Bluetooth 5.2に対応している他、Bluetooth 5.1から追加された方向探知機能にも対応している点が、BG13/BG21と異なる。消費電力も非常に低く、1個のコイン電池(CR2354)で最大10年間動作するという。
BGM220S/BGM220Pは、BG22をベースにしていることで、方向探知に対応しており、コイン電池1個で約10年間動作するという点も大きな特長となっている。
BGM220PとBGM220Sに加え、「Xpress Wireless」というオプションも用意する。「実はまだ多くの人にとってワイヤレスの設計は難しい。そこで、あらかじめプログラムしたAPI(Application Programming Interface)を提供するXpress Wirelessによって、Bluetooth機器設計やRF設計について全く知識のない開発者でも、簡単にBluetooth通信機能を追加できるようになる」(Silicon Labs)。Xpress Wirelessは、2020年内に提供する予定だ。
Silicon Labsによれば、今はまだBluetooth SoC/モジュールを提供するケースの方が、Xpress Wirelessを提供するケースよりも圧倒的に多いが、「Xpress Wirelessは、RF設計を知らない開発者にも、Bluetooth対応の“扉”を開くきっかけとなるはずだ」とSilicon Labsは述べる。
開発キットとしては、約30米ドルの「Development Kits」と約300米ドルの「Pro Development Kits」を用意している。さらに、2020年末には10米ドルを切る安価な「Explorer Kits」も2020年末までに入手可能になる見込みだ。その他、開発環境としては、「Simplicity Studio」を無償で提供している。Simplicity Studioは、最新版の「Simplicity Studio 5」が2020年9月に発表されたばかりである。
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