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実装設備が目指す方向と今後の課題福田昭のデバイス通信(277) 2019年度版実装技術ロードマップ(85)(1/2 ページ)

今回は、実装設備の将来像と今後の課題を取り上げる。

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実装設備の将来像と解決すべき課題を報告

 電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第85回である。

 本シリーズの第3回から第22回までは第2章「注目される市場と電子機器群」の概要、第23回から第30回までは第3章「電子デバイスパッケージ」の概要、第31回から第63回までは第4章「電子部品」の概要、第64回から第72回までは第5章「プリント配線板」の概要を説明してきた。


2019年6月4日に東京で開催された「2019年度版 実装技術ロードマップ」完成報告会のプログラム。本シリーズの第73回から、第6章「実装設備」(プログラムの10番)の概要を紹介している。出典:JEITA(クリックで拡大)

 第73回からは、第6章「実装設備」の内容を解説している。第81回から前回(第84回)までは、第6章第4節「実装技術動向」の概要をご説明してきた。今回は第6章第5節「実装設備が目指す方向」と第6章第6節「ディフィカルトチャレンジ」(今後の課題)の概要をご報告する。


第6章「実装設備」の概要。ロードマップ本体から筆者がまとめた。下線部は今回で扱う部分(クリックで拡大)

人工知能(AI)の活用はまだこれから

 人工知能(AI)は昨今のトレンドワードとして世間一般でひんぱんに使われている。ただしAIにはさまざまなアルゴリズムと実装状態が存在しており、AIができることの水準(レベル)にはかなりの高低がある。データベースの検索機能を高めたにすぎないものから、深層学習(ディープラーニング)を本格に取り入れたものまで、さまざまな技術を「AI」と称しているのが実情だ。

 実装設備におけるAIの技術としては、データベースの検索機能を高めた水準のものを最近の新製品は標準的に採用済みである。例えばマウンタ(部品搭載機)だと、吸着した部品の外形形状や端子ピッチ、はんだボールピッチを測定して良品と不良品を判定する技術にAIを利用する。外観検査機だと、検出対象の認識精度の向上にAIを役立てている。

 一方で深層学習(ディープラーニング)を活用した本格的なAI技術の採用は、まだこれからだとみられる。逆の表現をすると、深層学習技術を必要とする用途が実装設備ではまだ見いだせていないと言えよう。

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