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フジクラ、ミリ波利用の5G向けPAAMを製品化FWAやMWAなどの用途に対応

フジクラは、ミリ波帯を用いた5Gシステム向けの統合化フェーズドアレイ・アンテナモジュール(PAAM)を製品化した。2020年度第4四半期中にもサンプル出荷を始める予定。

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自社開発のRF IC搭載で優れたNF特性を実現

 フジクラは2020年10月、ミリ波帯を用いた5Gシステム向けの統合化フェーズドアレイ・アンテナモジュール(PAAM:Phased Array Antenna Module)を製品化したと発表。2020年度第4四半期中にもサンプル出荷を始める予定。

 開発したPAAMは、垂直と水平の両偏波を同時に送受信可能なアンテナとRF ICを統合しており、3GPPが規定する「n257(28GHz帯)」や「n258(26GHz帯)」「n261(27GHz帯)」に対応する。米IBMよりライセンスを受けたミリ波RF IC技術とアンテナインパッケージ技術に、フジクラが得意とするアンテナ設計技術や基板設計技術などを組み合わせて製品化した。


PAAMの回路ブロック図 出典:フジクラ

 搭載したRF ICは、SiGe BiCMOSプロセスを用いて自社開発した。これにより、優れた雑音指数(NF)特性を実現し、通信エリアとして広範囲をカバーすることができるという。移相器は独自構成のTrue-time-delay方式を採用した。これにより、広い周波数範囲で位相と振幅を独立して制御することが可能となった。

 移相器はPAAMを実装する際の煩雑なキャリブレーションが要らない。また、群遅延とビーム方向は広い帯域で一定に保たれるため、送受信信号のひずみを抑制することができ。高い伝送品質を実現できるという。さらに、NFと大信号入力時の線形性を柔軟に設定することができるため、基地局のカバレッジに応じた設定が可能である。

 新製品は、ミリ波を応用した5G固定無線アクセス(FWA)、5Gモバイル無線アクセス(MWA)、5G無線バックホールなどの用途に提案していく。

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