連載
銅配線の微細化限界を拡張するサブトラクティブ技術:福田昭のデバイス通信(286) Intelが語るオンチップの多層配線技術(7)(2/2 ページ)
前回に続き、配線プロセスの代表であるダマシン技術とサブトラクティブ技術を解説する。
金属配線の幅を維持するサブトラクティブ技術
そこで配線金属を銅ではなく、サブトラクティブ技術で製造可能な別の金属に変更することが考えられている。サブトラクティブ技術では、金属膜を先に形成してパターンを加工する。金属の幅が配線の幅になる。バリア層は配線金属(パターン加工済み)の周囲に堆積するので、配線金属の幅は最小加工寸法と変わらない。このため、バリア層を採用しても抵抗が上昇しない。
例えばルテニウム(Ru)金属を配線としてサブトラクティブ技術で形成した微細な配線は、配線ピッチが22nm以下になると抵抗値が銅配線よりも低くなる。ただし、ルテニウム(Ru)の比抵抗は銅よりも高い。配線ピッチが広いと、ルテニウム配線の抵抗は銅配線に比べて高くなってしまう。
それでは、銅金属の配線パターンをサブトラクティブ技術で形成したら、どうなるのだろうか。計算では常に、ダマシン技術の銅配線よりも抵抗値が低くなる。ただし前回でも述べたように、エッチングでは銅金属膜の微細なパターンを加工しづらいという課題がある。技術的なブレークスルーが必要だ。
(次回に続く)
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