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TSMCが設備投資を倍増、先端プロセスの開発を強化半導体需要の高まりを受け(4/4 ページ)

TSMCは、今後数年間の堅調な成長を期待して、2021年の設備投資予算を2020年比でほぼ2倍の280億米ドルとした。世界最大のチップファウンドリーであるTSMCは、2021年に設備投資に250億〜280億米ドルを投じることとなる。

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「N3」プロセス開発も着々と進める

 TSMCの3nmの「N3」は、5mmと比べて論理密度を70%高められる他、性能を最大15%向上させ、消費電力量を30%低減することが可能だという。競合他社のSamsung ElectronicsやIntelが代替プロセスを検討している中、TSMCは、同社のN3技術は、技術の成熟度や性能、コスト面での優位性を理由に、FinFETを引き続き使用するとしている。N3のリスク生産は2021年、量産は2022年後半になる予定だ。Wei氏によれば、N3ノードの初期採用者(アーリーアダプター)は、スマートフォンやHPC関連分野になるという。

 自動車市場は2018年から軟調に推移しているが、TSMCによると、そうした状況はすぐに変わるかもしれない。Wei氏によれば、2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、自動車市場とサプライチェーンが大きく影響を受け、第3四半期には顧客が発注を減らしたという。だが、「第4四半期になり、初めて急激な回復が見られるようになった。ただ、自動車のサプライチェーンは長く複雑な上に、当社の技術ノードの多くは、他分野の顧客からの需要増により2020年を通してタイトな状況だった」とWei氏は説明する。

 「短期的には、自動車のサプライチェーンの需要が反発しているため、供給不足がより顕著になっている。TSMCでは、これが最優先課題であり、車載向け顧客と緊密に連携して生産能力のサポートの問題を解決している」(Wei氏)

 40nmや55nmなどの成熟ノードでは、チップ不足が顕在化している。Wei氏は、「TSMCは顧客と協力して、生産能力がより優れている高度なノードに移行できるよう努めている」と語った。

【翻訳:青山麻由子、田中留美、編集:EE Times Japan】

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