アットマークテクノ、IoTゲートウェイを開発:最大2Wの電力消費で間欠動作
アットマークテクノは、最大2Wの電力消費で間欠動作する「Armadillo-IoTゲートウェイ A6」を開発した。小型の太陽光パネルや蓄電池と組み合わせることで、電源環境が厳しい場所でも容易にネットワーク網を構築し、データ収集が可能となる。
太陽光パネルや蓄電池と組み合わせてネットワーク網を構築
アットマークテクノは2020年1月、最大2Wの電力消費で間欠動作する「Armadillo-IoTゲートウェイ A6」を開発したと発表した。小型の太陽光パネルや蓄電池と組み合わせることで、電源環境が厳しい場所でも容易にネットワーク網を構築し、データ収集が可能になる。
新製品は、屋内設置向けの「C1モデル」と、拡張性に優れた「U1モデル」がある。NXPセミコンダクターズ製アプリケーションプロセッサ「i.MX6ULL」や、タレスDIS製LTE-Mモジュール「EMS31-J」などのハードウェアを採用している。用意された複数の動作モードと組み合わせることで、電力消費を抑えることができる。
用意した省電力モードは、シャットダウン状態(消費電力は1mW)や、通常のスリープ状態(100mW)、SMSメッセージ待ち受け状態(230mW)である。省電力モードの状態であっても、シャットダウン状態から10秒未満で、スリープ状態であれば1秒未満と、それぞれ短い時間でアクティブ状態に復帰し、LTE(Long Term Evolution)通信が可能になる。
新製品には、「Debian 10(Buster)」がプリインストールされている。このため、Linuxのソフトウェア資産を活用しやすく、PythonやJavaScriptなどの環境でデータ処理を行える。USB接続により「Wi-SUN」や「EnOcean」といった無線規格にも対応する。しかも、NXPセミコンダクターズ製セキュアエレメント「SE050」を標準搭載し、産業制御システムに求められるセキュリティ要件を満たすことができるという。
同社は、新製品とACアダプターおよび、各種ケーブルなどをまとめた「開発セット」も用意しており、2021年3月末までに出荷を始める計画。価格(税別)は2万9800円の予定。
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