DNPと東海理化、デジタルキープラットフォーム提供:スマホで自動車や家のドアを解錠
大日本印刷(DNP)と東海理化は、スマートフォン1台で自動車や家のドアなどを施錠/解錠できるデジタルキープラットフォームの提供を始めた。
「FREEKEY Server」と「FREEKEY Platform」で構成
大日本印刷(DNP)と東海理化は2021年2月、スマートフォン1台で自動車や家のドアなどを施錠/解錠できるデジタルキープラットフォームの提供を始めると発表した。
両社が提供するデジタルキープラットフォームは、デジタルキーの配信と管理を行うサーバ「FREEKEY Server(フリーキーサーバ)」および、複数のデジタルキー方式を統合するために共通APIへ変換するシステム「FREEKEY Platform(フリーキープラットフォーム)」で構成される。
DNPが保有する高度な情報セキュリティ技術と、東海理化が自動車部品で培ってきたモノづくりおよび電波技術を持ち寄ることで、スマートフォン用デジタルキープラットフォームを実現した。
FREEKEY Serverを活用すると、必要な時にデジタルキーをスマートフォンへダウンロードし、これを用いて自動車や家のドアを施錠したり解錠したりすることが可能となる。デジタルキーには有効期限を設定できるため、一時的に利用するシェアリングサービスなどに有効である。物理的なカギを持ち歩く必要もない。
FREEKEY Serverには、ICカードなどで培った高度なセキュリティ技術を用いたDNPのIoSTプラットフォームを採用している。このため、さまざまなサイバー攻撃に対しても、デジタルキーのデータを安全に保護し、車両の盗難や不正利用を防止できるという。東海理化は、このプラットフォームに加え、デジタルキーに対応する電子錠デバイスを含むトータルソリューションを提供することも可能だという。
なお、今回提供するFREEKEY Serverは第一世代となるが、2023年度には業界団体「Car Connectivity Consortium(CCC)」が策定する次世代のグローバル標準仕様に対応した製品「FREEKEY Server generation 2」を開発し、提供する予定である。
FREEKEY Platformは、サービス事業者が「早く」「安価で」「簡単に」デジタルキーを利用できるよう、共通APIへ変換するシステムである。サービス業者のシステムと連結することで、単なるカギの配信だけでなく、さまざまなサービスに対する認証や電子チケットの配信にも利用することができる。
両社は、デジタルキー関連事業で2025年度に50億円、2028年度に100億円の売上高を目指す。さらに、認証や決済、パーソナルデータとの連動など、新たなサービスにも共通で利用できる、総合的なプラットフォームの構築に取り組む。
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