連載
スマートフォンが搭載してきたNANDフラッシュの変遷:福田昭のストレージ通信(184) アナリストが語る不揮発性メモリの最新動向(11)(2/2 ページ)
今回は、スマートフォンが搭載してきたNANDフラッシュメモリの変遷をたどる。
中国のファーウェイと小米も最先端の3D NANDフラッシュを採用
Choe氏は、中国のスマートフォンメーカーであるファーウェイ(Huawei)と小米科技(Xiaomi)が2019年モデルと2020年モデルに搭載したNANDフラッシュメモリについても、分析結果を示していた。HuaweiとXiaomiも、最先端の3D NANDフラッシュを積極的に導入していることがうかがえる。
ファーウェイ(Huawei)と小米科技(Xiaomi)が2019年と2020年に発売したスマートフォンの搭載部品 (クリックで拡大) 出典:FMS 2020の講演「Technology Trend:NAND & Emerging Memory」の配布資料
Huaweiのスマートフォンはキオクシア、SK hynix、Micron Technology、Samsung、Western Digital(WD)の3D NANDフラッシュを採用している。シリコンダイの記憶容量は128G〜512Gビット、ワード線の積層数は64〜96層、多値記憶方式はTLCである。
XiaomiのスマートフォンはほとんどがSamsungの3D NANDフラッシュを採用しており、1機種だけがSK hynixの3D NANDフラッシュを搭載している。シリコンダイの記憶容量は128G〜512Gビット、ワード線の積層数は76〜92層、多値記憶方式はTLCである。
(次回に続く)
⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 3D NANDフラッシュメモリの開発ロードマップ
今回から、TechInsightsのJeodong Choe氏による講演の内容を紹介する。まずは、3D NANDフラッシュメモリ各社の開発ロードマップを解説している。 - 5nmプロセッサで双璧を成すApple「A14」とHuawei「Kirin 9000」
今回は、5nmチップが搭載されたHuaweiのフラグシップスマートフォン「Huawei Mate 40 Pro」の分解結果をお届けする。同じ5nmチップであるAppleの「A14 BIONIC」とも比較する。 - 10年間でノウハウを蓄積、Appleプロセッサの集大成となった「M1」
2020年11月に発売されたApple「Mac」に搭載されているプロセッサ「Apple M1」。これは、Appleが10年の歳月をかけてノウハウを蓄積したプロセッサ技術の“集大成”といえる。 - Huawei、スマートフォン出荷で初めて首位を獲得
Huaweiは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが引き起こした市場低迷に立ち向かい、世界スマートフォン出荷台数で初めて首位を獲得した。 - 3D NANDフラッシュのコスト削減モデル
今回は3D NANDフラッシュのウエハー当たり製造コスト(ウエハーコスト)が世代交代でどのように変わるかを解説する。 - NANDフラッシュメモリのスケーリング論
2018年8月に開催された「フラッシュメモリサミット」から、半導体メモリの技術動向に関する講演の内容を紹介するシリーズ。今回は、次世代メモリが期待される3つの理由のうち、スケーリング(微細化または高密度化)について解説する。