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ルネサス那珂工場火災、「大変厳しい状況だが、1カ月以内の生産再開へ全力」出火原因はめっき装置の過電流(2/2 ページ)

ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2021年3月21日、同年3月19日に発生した那珂工場(茨城県ひたちなか市)の火災について説明会を開き、現時点で確認できていることについて詳細を語った。

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月間170億円分の出荷に影響、完全復旧へは代替装置調達がカギ

 那珂工場300mmウエハーラインの生産能力は、売上高ベースで月間170億円相当分。火災前に生産していた製品の内訳は、マイコンが64%、SoCが34%、アナログICが2%。用途別では、約66%が自動車向け、残り34%が産業、インフラ、IoT向けの製品。生産品目のうち、約3分の2の製品は、自社の200mmウエハーラインや外部工場で代替生産が可能だが「半導体全体が活況の中で、(他の工場の)製造余力が極めて限定的。他所で代替生産することは想像しにくいが、検討、依頼をかけている状況」(柴田氏)と、代替生産は一部に限られる見通し。


火災の影響を受けた製品 (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 なお、N3棟での仕掛かり品への影響については「今後、1週間程度かけて被害全容を精査する」(柴田氏)と現時点では不明。生産停止に伴う出荷への影響は、後工程製造ラインで仕掛かり中の製品の出荷が終わる約1カ月後から生じる見込み。加工済みのウエハー在庫については、2021年2月の福島県沖地震で一時生産を停止した際に使用したことなどから限定的な規模となっていた。

 現状復旧活動は、大手自動車メーカーや電装品メーカーから50人規模の人的支援も受けて実施。クリーンルーム復旧に必要な部材の調達についても、メドが立ち、1カ月以内の完全復旧が見込める見通し。ただ、焼損した製造装置11台の代替装置の調達については、メドがついておらず、生産能力が火災前の水準に戻るかどうかは、代替装置の調達次第になっている。また、損傷した11台のうち、7台は、損傷を免れた装置で代替加工できるが、再配線装置4台については同生産ラインで代替できる装置がなく、代替装置の調達が不可欠だという。再配線装置が生産に不可欠な製品は、同生産ラインで製造する15%分に相当するという。

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