検索
ニュース

【那珂工場火災】ルネサス、1カ月以内の生産再開に向け順調ぶりを強調代替生産も進め6月半ばには火災前上回る出荷水準へ(2/2 ページ)

ルネサス エレクトロニクスは2021年3月30日、3月19日に発生した火災により生産を停止している那珂工場300mmウエハーライン(N3棟)の復旧作業の進み具合などを説明する会見をオンラインで実施し、火災から1カ月以内の生産再開に向け、順調に復旧作業が進んでいることを強調した。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

代替生産の出荷も6月半ばスタートへ

 会見で示された生産再開スケジュールは、火災発生後約20日後(4月8日ごろ)からクリーンルームを復旧させ、30日後(4月18日ごろ)から生産を再開。生産再開時の生産能力は、製造装置の再調達次第であり、仮に製造装置を全てそろえられた場合には、火災前水準に達することになる。


生産再開および、出荷再開スケジュール (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 出荷ベースでは、現状、後工程、テスト工程での仕掛かり品の出荷が継続されており、火災影響は生じていないが、火災30日後に後工程/テスト工程での仕掛かり品が尽き、出荷はゼロに。ただ、予定通り1カ月でN3棟での生産が再開できれば、生産再開から30日後、火災60日後(5月18日ごろ)から、残存仕掛かり品から出荷が再開され、火災70日後(5月28日ごろ)からは火災前の50%程度まで出荷量が回復する見込み。その後も徐々に出荷数量を増やし、火災100日後(6月27日ごろ)には、装置の再調達次第だが火災前の出荷水準に回復し、生産再開後の新規投入ウエハーの出荷も始まる見通しだ。

 なお、社内外の他工場での代替生産も並行して実施。火災90日後(6月17日ごろ)から、代替生産による出荷が徐々に立ち上がり、火災後100日程度で、N3棟での生産再開分も合わせて、火災前水準を上回る出荷を実現し「7月以降、年内にかけて、失った生産分を取り戻していく」とする。

 代替生産は、N3棟で製造していた製品の3分の2で実施可能な状況。既に代替生産可能な製品の1.5カ月分を社内外の工場で代替生産できる見通しが立っているという。また、完全復旧に向けてボトルネックになっている再配線工程の代替先については、2カ月分確保できる見通しで、再配線工程以降のみを外部工場で実施するなどの処置も必要に応じて実施する方針だ。


代替生産見通し (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

火災による売り上げ影響は175億〜240億円か

 今回の火災に伴う売り上げ影響については、出荷ベースの生産停止影響が1.5カ月分だった場合で、約175億円。仮に生産再開が遅れて出荷ベースの生産停止影響が2カ月分に達した場合には約240億円とする。なお、前回会見で、N3棟で1カ月に生産する製品の売上高は約170億円としていたが、精査した結果約130億円だったと判明し、修正した。


売り上げ影響見通し (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス
前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る