この記事は、2021年6月7日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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5人に1人がワクチン接種完了、ドイツのワクチン&検査事情
気が付けばもう6月。筆者がドイツに移住してからもうすぐ半年が過ぎようとしていますが、今のところまだ「ドイツ在住ならではの経験」というものが、なかなかできていません。というのも、昨年末にドイツ・バイエルン州の地方都市に移住して以降、新型コロナウイルス感染第2波、第3波に対応したロックダウンのさまざまな制限が続いていたため、これまでほとんどの時間を自宅で過ごすしかなかったからです。
スーパーや薬局など以外の閉鎖や、マスクの義務化、夜間の外出禁止令、移動制限、私的接触の制限など、ドイツの規制は日本と比べてかなり厳格でした。そのためせっかくのドイツ生活を始めたものの、これまでスーパーと自宅の行き来以外、ほとんど外出する意味がないというさみしい状況だったのですが、ようやく5月ごろからの感染者数の減少が続き、規制緩和が本格化(現在、1日あたりの新規感染者数平均はピーク時の17%ほど)。私の住むまちでも、屋外限定かつ陰性証明が必須ではあるものの、これまでデリバリーしか許されていなかった飲食店がついに再開した他、ホテルやジム、劇場・映画館および博物館といった文化施設なども一定の条件下で再開が許されることになりました。特に飲食店の再開はインパクトが大きく、平日のまだ明るい中(ドイツの6月の日没は午後9時ごろなので大体明るいですが)旧市街の石畳にずらりと並んだテラス席に腰掛け、ビールを片手に談笑している人々の姿を目にし、ようやく少しだけ「あぁドイツに来たんだなぁ」と実感できました。また、このコラムを書いている6月4日には、感染者数の減少を受けて、飲食店利用時の予約や陰性証明の義務もなくなりました。
なお、上記の陰性証明の検査は、感染者数が一定の水準を超えると各種店舗、施設の利用時に求められることになるのですが、各都市にある検査センターで受けられるのはもちろん、ショッピングセンター内や商店街の一角などにもだいたい検査場が設置されており、予約不要&無料で簡易検査を受けることができます。買い物客は、現地で検査後、20分ほどで結果をプリントした紙またはメールで取得でき、店舗や施設の入り口でそれを提示することで入店可能となるシステムになっています。また、私の住むバイエルン州では、州内の検査センターで昨年夏からPCR検査も希望者全員、無料で受けられるようになっているのですが、先日、平日5時以降にそのセンターで簡易検査を受けた際、PCR検査側の受付にも人影はまばらで、ほとんど待ち時間なく検査を受けられるようでした。
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