組織改革と新製品発表が示すIntelの戦略:通信ネットワーク分野のイノベーションを加速(2/2 ページ)
Intelによる組織改革と関連技術の発表は、ネットワークコンポーネントおよびシステムのグローバル市場において、同社がより重要なプレーヤーを目指す戦略を示すものだ。
Intelは、 「ネットワークシリコンのリーディングプロバイダー」
「MWC(Mobile World Congress) 2021」でのバーチャルイベントに先立ち、Intelはネットワークプラットフォームを発表するとともに、5G(第5世代移動通信)やエッジ領域をターゲットにした多数の新しいデバイスを紹介した。
ネットワークプラットフォームグループのコーポレートバイスプレジデント、Dan Rodriguez氏は、Intelが今や 「ネットワークシリコンのリーディングプロバイダー」であり、「コアの仮想化からエッジへのアクセス、エッジコンピューティング機能実装への業界のシフト 」の主要な動力源になっていると主張した。
また、同社は、商用のvRAN展開のほとんどが同社の技術で実行されているとも主張。Intelのデバイスは現在、3万5000以上の顧客のエッジ実装に導入されている。
バーチャルカンファレンスの中で、Intelは、Dish WirelessやDeutsche Telekom、インドのReliance Jioなどの通信事業者とネットワークの開発/展開プロジェクトを進めているほか、CohereやEXOR Internationalとも提携していると述べた。
米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置くCohereは、FlexRAN機能を活用して周波数利用率を向上させる新しいアプローチを提供している。同社は、ソフトウェアベースのアプローチによってスペクトル効率を2倍に高めることができるとしている。クラウドベースのバージョンは2021年中に発売される予定だ。Spectrum Multiplier platformは、携帯電話、無線機、アンテナに変更を加えることなく統合できるよう設計されている。
Cohereによると、Vodafoneがすでに同社研究所でこの遅延ドップラー空間多重化技術をテストしており、この技術はあらゆる携帯電話規格とほとんどの周波数帯で使用可能だという。
また、Intelは、5GアプリケーションでMACSecをサポートする暗号アクセラレーションを搭載した「Agilex FPGA」の新製品群も紹介。これにより、フロント、ミッドホール、バックホールの3つのレベルすべてにおいて、vRANにさらなるセキュリティ層を追加することができるとしている。
Agilexは、IntelによるAltera買収の一環として登場した。チップメーカーであるIntelは、Ethernet 800シリーズの拡張も発表しており、最も新しいバージョンは、タイトなエッジ展開のために特別に設計された初のSyncE対応イーサネットアダプターとなっている。このシリーズは、広帯域の4G/5G RANや、産業/エネルギー分野の時間遅延に敏感なアプリケーションにも適しているとしている。
Rodriguez氏は、インテルネットワークプラットフォームは、開発の複雑さを軽減し、パートナーや顧客がコアからアクセス、エッジに至るまでIntelのハードウェア機能を活用できるようにする「技術基盤」だと表現した。このプラットフォームには、システムレベルのリファレンスアーキテクチャ、ドライバ、ソフトウェアビルディングブロックが組み込まれており、ネットワーキングプラットフォームの開発を加速する。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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