SK hynix、EUV露光による1αnm世代DRAM量産を開始:DRAM量産に初めてEUV装置採用
SK hynixは2021年7月12日(韓国時間)、EUV(極端紫外線)露光装置を使用した初めてのDRAM量産を開始したと発表した。10nmプロセス技術の第4世代である「1α(アルファ)nm世代」の8Gビット LPDDR4 モバイルDRAMで、同年後半からスマートフォンメーカー向けに提供する予定だ。
SK hynixは2021年7月12日(韓国時間)、EUV(極端紫外線)露光装置を使用した初めてのDRAM量産を開始したと発表した。10nmプロセス技術の第4世代である「1α(アルファ)nm世代」の8Gビット LPDDR4 モバイルDRAMで、同年後半からスマートフォンメーカー向けに提供する予定だ。
SK hynixは2021年2月に完成した新工場「M16」(韓国・京畿道の利川(イチョン)市)が、EUV露光装置を導入した同社初の工場になるとしており、2021年後半からEUV露光装置を活用した1αnm世代のDRAM生産を行うことをアナウンスしていた。
同社は、既に1ynm世代のDRAM生産でEUV装置を一部導入しており、「最先端のリソグラフィ技術の安定性を証明した後、初めてEUV装置を量産に採用した。プロセスの安定性が証明されたことから、今後、1αnmのDRAM生産には全てEUV技術を使用する予定だ」と説明している。なお、2020年10月に発表したDDR5 DRAMには、2022年初頭から1αnmプロセスを適用する予定という。
1αnm世代は、前世代(1znm世代)と比較して、同サイズのウエハーから生産されるDRAMチップの数を約25%増加させることができるといい、SK hynixは、「この1αnm DRAMが、世界的なDRAM需要の増加に伴う、世界市場の需給状況の緩和にも貢献するものと期待している」と述べている。
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