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新電元工業、車載ECU向けLF Dualシリーズを開発:2個のパワーMOSFETを搭載
新電元工業は、車載用ECUに向けて1パッケージに2個のパワーMOSFETを搭載した「LF Dual」シリーズを開発した。既にサンプル出荷を始めていて、2021年12月から量産を行う。
AEC-Q101に準拠、実装面積と部品点数を半減
新電元工業は2021年7月、車載用ECUに向けて1パッケージに2個のパワーMOSFETを搭載した「LF Dual」シリーズを開発したと発表した。既にサンプル出荷を始めていて、2021年12月から量産を行う。
LF Dualシリーズは、車載信頼性規格「AEC-Q101」に準拠している。耐圧は40V品と60V品があり、ドレイン電流やオン抵抗によって7品種を用意した。例えば、「P50LF4QTKD」は耐圧40V、ドレイン電流50A、オン抵抗4.4mΩ。「P39LF6QTKD」は同様に60V、39A、8.3mΩである。
LF Dualシリーズは、1パッケージに損失が小さいパワーMOSFETを2個搭載している。これにより、実装面積と部品点数は従来品を用いた時に比べ、半分にすることができるという。また、電気抵抗が小さく、高い放熱効果が得られるCuクリップ接続による低オン抵抗化や、さらなる低容量化を実現したことで、耐圧60V品における性能指数は、従来に比べ25%も低減した。
この他、リード先端にめっき処理を施したウェッタブルフランク構造にすることで、はんだぬれの視認性が向上した。また、ガルウイング形状のリード端子を採用することで、強固なはんだ付けを実現し、高信頼の基板実装を可能にした。
新製品は、車載モーターの駆動用、エンジンECU(インジェクター駆動)、逆接逆流防止リレーといった用途に提案していく。
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