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次々世代のトランジスタ「シーケンシャルCFET」でシリコンの限界を突破(後編)福田昭のデバイス通信(315) imecが語る3nm以降のCMOS技術(18)(2/2 ページ)

後編となる今回は、「シーケンシャル(Sequential)CFET」の具体的な試作例を紹介する。

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パワー応用と高周波応用に適したGaNのnチャンネルMOS

 もう1件は、ボトム側がnチャンネルGaN(窒化ガリウム)MOSFET、トップ側がpチャンネルSi MOSFETとなっている。こちらも直径が300mmのSiウエハーを貼り合わせて製造した。GaNチャンネル層は、半絶縁性のSiウエハーにバッファ層を介してエピタキシャル成長させた。


ボトム側がnチャンネルGaN(窒化ガリウム)MOSFET、トップ側がpチャンネルSi MOSFETのシーケンシャルCFET(構造図)。出典:intelが2019年12月に国際学会IEDMで発表した論文「3D Heterogeneous Integration of High Performance High-K Metal Gate GaN NMOS and Si PMOS Transistors on 300mm High-resistivity Si Substrate for Energy-Efficient and Compact Power Delivery, RF(5G and beyond) and SoC Applications」(論文番号17.3)から(クリックで拡大)

試作したシーケンシャルCFETの断面を電子顕微鏡で観察した画像。ビアを介して上下のトランジスタを接続している。出典:intelが2019年12月に国際学会IEDMで発表した論文「3D Heterogeneous Integration of High Performance High-K Metal Gate GaN NMOS and Si PMOS Transistors on 300mm High-resistivity Si Substrate for Energy-Efficient and Compact Power Delivery, RF(5G and beyond) and SoC Applications」(論文番号17.3)から(クリックで拡大)

 パワー向けでは、シリコン(Si)MOSFETと比べ、GaN MOSFETはオン抵抗が約4分の1に下がることを確かめた(逆耐圧20Vで比較)。電圧レギュレーターをSiに比べて小型化できるとする。

 高周波向けでは、Si/SOIトランジスタに比べてGaNトランジスタは電力付加効率(PAE)が約20ポイント向上した(動作周波数は25GHz〜30GHz)。ミリ波の第5世代(5G)移動体通信システムの小型化に寄与する。

次回に続く

⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧

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