ルネサス、64ビットMPUに向けたPMICを発売:設計負荷を軽減、部品点数も削減
ルネサス エレクトロニクスは、パワーマネジメントIC(PMIC)「RAA215300」のサンプル出荷を始めた。Arm Cortex-A55コア搭載のルネサス製汎用64ビットMPU「RZ/G2L」やビジョンAI向けMPU「RZ/V2L」などに向けて機能を最適化した。
「DDR4」や「DDR4L」などDDRメモリをサポート
ルネサス エレクトロニクスは2021年8月、パワーマネジメントIC(PMIC)「RAA215300」のサンプル出荷を始めた。Arm Cortex-A55コア搭載のルネサス製汎用64ビットMPU「RZ/G2L」やビジョンAI用MPU「RZ/V2L」などに向けて機能を最適化した。
RAA215300は、6個の降圧レギュレーターと3個のLDOを搭載している。水晶発振器やリアルタイムクロック(RTC)、コイン電池/スーパーキャパシターへの充電回路なども集積した。
DDRメモリ専用の出力としては、レファレンス用の「VTTREF」やメモリセル駆動用の「VDDQ」、ターミネーション用の「VTT」および、2.5Vの「VPP」を用意した。これにより、「DDR4」や「DDR4L」「DDR3」「DDR3L」といった外部メモリに電源を供給することができる。
この他、4層プリント基板への対応や部品点数削減などにより、部品コストの低減や設計の簡素化などを可能にした。また、EEPROMを内蔵しておりフルコンフィギュレーションが可能である。動作温度範囲は−40〜105℃と広い。パッケージは8×8mmの56端子QFNで供給する。2022年第1四半期に量産を始める予定。
RAA215300は、RZ/G2LやRZ/V2LとDDRメモリだけでなく、他のルネサス製品と組み合わせることで、早期にシステムオンモジュール(SoM)を開発できるという。ルネサスは、パワーコントローラやUSB PDコントローラ、クロックデバイスなどを組み合わせたウイニングコンビネーション「AIアクセラレーターを備えたHMI SoM」なども用意している。
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