村田製作所、9月1日から武生事業所の操業再開:主力のMLCC生産拠点
村田製作所は2021年8月31日、従業員らの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集団感染を受けて操業停止していた福井県村田製作所の主力拠点、武生事業所(福井県越前市)について、9月1日から操業を再開すると発表した。同事業所は同社主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)生産拠点の1つだが、操業停止の影響については、「在庫の出荷などで影響は最小限にとどめた」としている。
村田製作所は2021年8月31日、従業員らの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集団感染を受けて操業停止していた福井県村田製作所の主力拠点武生事業所(福井県越前市)について、9月1日から操業を再開すると発表した。同事業所では同社主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)を生産しているが、操業停止の影響については、「在庫の出荷などで影響は最小限にとどめた」としている。
武生事業所は、村田製作所のMLCCやノイズ対策製品などセラミックスをベースとした電子部品の開発、生産拠点で、勤務する従業員数は約7000人(協力会社従業員含む)。同社によると、2021年8月3日にCOVID-19の最初の感染者を確認。その後同月6日には協力会社の従業員13人と従業員3人の感染が判明したため、感染拡大防止のため、感染が確認された従業員が勤務するエリアの製造工程の一部について一時稼働を停止し、利用していた施設の消毒を実施するなどの対応を行っていた。
しかし、その後も事業所内での集団感染が確認され、8月25日には同月3〜24日までの累計感染者数が協力会社従業員77人、従業員21人の合計98人に拡大したことを発表。「従業員の健康・安全面への配慮、さらなる感染拡大防止」のため、8月25〜31日まで同事業所の操業停止を決定した。なお、同事業所の31日までの累計感染者数は124人になったという。
同社は8月22〜31日までの間に、協力会社従業員を含む同事業所の全従業員を対象にPCR検査を実施。今回の発表時点で判明している8月29日までの累計5416人の検査結果では、協力会社従業員6人の陽性が判明、福井村田製作所の従業員に陽性者はなかったという。同社は、PCR検査の結果、陰性が確認された従業員のみが順次出社する体制が整ったことから、予定通り9月1日にり操業を再開することを決定。陰性を確認した従業員のみでの操業となるが、「稼働率への影響は限定的だ」としている。
なお、同社は操業再開後も、当面の間は1日当たり約1000人規模のPCR検査の継続を予定している。
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