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Lanxess、EV用バッテリー筐体をINFACと共同開発:韓国OEM企業がEV量産車に採用
独Lanxess(ランクセス)は、電気自動車(EV)用バッテリーモジュールの筐体を、韓国INFAC(インファック)と共同開発した。韓国OEMメーカーは、2021年発売のEV量産車にこの筐体を採用した。
部品の軽量化や組み立て工程の簡素化などを可能に
独Lanxess(ランクセス)は2021年9月、電気自動車(EV)用バッテリーモジュールの筐体を、韓国INFAC(インファック)と共同開発したと発表した。韓国OEMメーカーは、2021年発売のEV量産車にこの筐体を採用した。
開発した筐体には、ランクセス製の「デュレタン(Durethan)BKV30FN04」を採用した。デュレタンは、ガラス繊維で強化したポリアミドベースの軽量化素材である。鉄製部品をデュレタンに置き換えると、強度を保ちながら重さを約50%も軽くすることが可能だという。加工性に優れ、複雑な機能を一体化できることから、部品点数の削減や組み立て工程を簡素化することも可能になる。
特に、ポリアミド6(PA6)ベースのデュレタンBKV30FN04は、機械的に堅固な上、電気絶縁性に優れている。耐圧は最大800Vで、高電圧電流を効果的に遮断することができる。難燃性にも優れ、火災時の延焼を防ぎ、遅延させるという。また、薬品に対する耐性も高い。電解液や冷却媒体と接触しても、強度や剛性を維持しながら、化学的損傷を抑えることが可能である。
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