Intelのアリゾナ新工場、建設がスタート:2024年に稼働
Intelは2021年9月24日(米国時間)、米国アリゾナ州チャンドラーの工場「Ocotillo Campus(オコティージョ・キャンパス)」に、新たに建設する2棟の工場の着工式を開催した。
Intelは2021年9月24日(米国時間)、米国アリゾナ州チャンドラーの工場「Ocotillo Campus(オコティージョ・キャンパス)」に、新たに建設する2棟の工場の着工式を開催した。着工式にはCEOのPat Gelsinger氏の他、Intel Factory ManagerであるZivit Katz-Tsameret氏、チャンドラーの政府関係者が出席した。
今回新設する工場は「Fab 52」と「Fab 62」で、これによりOcotillo Campusの工場数は合計6つになる。Intelにとっては、約200億米ドルを投資する超大型プロジェクトだ。Intelによれば、Fab 52/62の建設は、3000人の建設関連の雇用および、1万5000人の間接的な業務の雇用が、チャンドラーにもたらされるという。
2つの新工場がフルに稼働するのは2024年で、「Intel 20A」を含む最先端のプロセス技術が導入される。Intel 20Aは、新しいトランジスタ構造としてGAA(Gate-All-Around)-FETである「RibbonFET(リボンFET)」と、新しい電力供給技術である「PowerVia」を採用する。
Gelsinger氏は着工式で、「昨今は半導体の話題が注目を集めている。世界的な半導体不足はさまざまな分野の生産や経済の停滞を引き起こしている。(新工場の着工という)本日の当社のニュースは、そうした(需要と供給の)ギャップを埋めるものだ。アリゾナ州とIntelは、最先端の半導体サプライヤーのリーダーとして揺るぎない地位を築くだろう」と語った。
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