ADI、“地球環境に優しいクルマ”の実現を目指す:名古屋オートモーティブワールド
アナログ・デバイセズ(ADI)は、「第4回[名古屋]オートモーティブワールド−クルマの先端技術展−」(2021年10月27〜29日、ポートメッセなごや)に出展、オンラインでメディア向けブースツアーを開催した。
テーマは「カーエレを進化させる先進テクノロジー・ソリューション」
アナログ・デバイセズ(ADI)は、「第4回[名古屋]オートモーティブワールド−クルマの先端技術展−」(2021年10月27〜29日、ポートメッセなごや)に出展、オンラインでメディア向けブースツアーを開催した。
同社展示ブースでは、「カーエレクトロニクスを進化させる先進テクノロジー・ソリューション」をテーマに、「ELECTRIFICATION(電動化)」と「DIGITAL COCKPIT」「ADAS&AUTONOMOUS」という3つのカテゴリーで、地球環境に優しいクルマを実現するためのソリューションについて、デモ展示を交え紹介した。
「DIGITAL COCKPIT」のコーナーでは、車載オーディオバス「A2B(Automotive Audio Bus)」や映像用バス「C2B(Car Camera Bus)」などを紹介した。
A2B技術は、オーディオデータと電源を、1本のシールドされていないツイストペア(UTP)ケーブルで伝送することができる。その距離は、ノード間で最大15m、デイジーチェーン全体で最大40mまで転送できるという。従来方式に比べ、ケーブル配線の軽量化やコスト低減を可能にした。
同社が第4世代と位置付ける最新のA2BトランシーバーICは、最大50Wまで電源としての利用が可能となった。また、インタフェースはI2Cに加え、高速SPI(最大10Mビット/秒)にも、新たに対応したという。ブースでは、車室内に設けられたイルミネーションの調光デモなどを行った。
車載カメラリンクを対象として最適化されたC2B技術は、安価なコネクターやUTPケーブルなど既存のインフラを用いて、容易にHD画質の映像を伝送することができる技術である。高画質化や大画面化が進むバックモニターなどの用途に適している。1チップで4チャネル入力できるC2BレシーバーICなどを用意しており、部品点数の削減や省スペース化が可能となる。
4Kなど、フルHDを超える高画質映像の伝送を必要とする用途に対しては、「ギガビットマルチメディアシリアルリンク(GMSL)向けのシリアライザー/デシリアライザー(SerDes)IC」を用意している。データ転送における誤り訂正方法の1つである「フォワードエラーコレクション(FEC)」機能などをサポートした。
ジェスチャーを検知するディスプレイなどに向けたデバイスとして紹介したのが、赤外線(IR)ベースの動的光学センサーである。スワイプや回転、エアクリック、リンガートゥクリック、3×2ゾーンの近接検出など、9種類のジェスチャーを1チップで検知できるという。特に、IRセンサーを用いることで検知できる距離は40cmと長い。また、ToFカメラベースのシステムに比べ、サイズは4分の1、コストは10分の1に抑えることができるという。
この他、新しいバッテリーマネジメントシステム(BMS)や、自動車向け太陽光発電システムなどもデモ展示した。BMSは、ASIL-D規格に準拠する機能安全に対応した他、バッテリー寿命や走行距離などを延ばすことができるという。ブースでは、14セルのリチウムイオン電池を1個のバッテリー監視用ICで制御するデモを行った。
自動車向け太陽光発電システムには、最大電力点トラッキング機能(MPPT)や温度補償機能、テレメトリー/制御用I2Cインタフェースを備えた昇降圧バッテリー充電コントローラIC「LT8491」が用いられている。
LT8491は、太陽光パネルの一部が陰になって局所的に最大電力点が生じた場合でも、太陽光パネルの全動作範囲を見回して真の最大電力点を検出するという。最大電力点がゆっくり変化してもそれに追従して動作する。ADIは今後、太陽光パネルと制御ICを大画面タイプのスマートフォンサイズに収め、簡易取り付け型太陽光発電システムとして提案していく計画である。
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