連載
ウエハースケールの超巨大プロセッサを実現した「InFO」技術:福田昭のデバイス通信(333) TSMCが開発してきた最先端パッケージング技術(6)(2/2 ページ)
「InFO」技術を改良した2種類のパッケージのうち、ウエハー規模の巨大なパッケージング技術「InFO_SoW」を解説する。
数多くのシリコンダイと電源、コネクターを高い密度で相互に接続
「InFO_SoW」技術の特長は、数多くのシリコンダイで構成した大規模なシステムを、直径が300mm前後の円板状モジュール(ウエハー状モジュール)に集積していることだ。InFO技術の利用によって、従来のモジュールに比べると小型かつ高密度のシステムを実現した。
「InFO_SoW」技術の特長(上)と構造(左下)、開発例(右下)[クリックで拡大] 出所:TSMC(Hot Chips 33の講演「TSMC packaging technologies for chiplets and 3D」のスライドから)
モジュールはウエハー状の放熱モジュール(プレート)、シリコンダイ群、InFOによる再配線層(RDL)、電源モジュール、コネクターなどで構成する。シリコンダイ群の相互接続と、シリコンダイ群と電源モジュールおよびコネクターとの電気的な接続には、RDLを介する。
フリップチップ技術によるマルチチップモジュール(MCM)と「InFO_SoW」の比較[クリックで拡大] 出所:TSMC(Hot Chips 33の講演「TSMC packaging technologies for chiplets and 3D」のスライドから)
講演では、フリップチップ技術によるMCM(Multi-Chip Module)とInFO_SoWの性能を比較してみせた。相互接続の配線幅/間隔はMCMの2分の1と狭くなる。配線密度は2倍に高まる。また単位面積当たりのデータ転送速度も2倍に増加する。さらに、電源供給ネットワーク(PDN)のインピーダンスはMCMのわずか3%と大幅に低くなるとする。
(次回に続く)
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