ローム、小型薄型IoT機器向けBMS評価ボード開発:待機時間は従来の60倍以上に
ロームは2021年12月、小型IoT機器に向けたバッテリーマネジメントシステム(BMS)の評価ボード「REFLVBMS001-EVK-001」を開発、インターネットでの販売を始めた。
Nano Energy搭載の電源ICや薄型大容量リチウムイオン二次電池を実装
ロームは2021年12月、小型IoT(モノのインターネット)機器に向けたバッテリーマネジメントシステム(BMS)の評価ボード「REFLVBMS001-EVK-001」を開発、インターネットでの販売を始めた。
REFLVBMS001-EVK-001は、超低消費電流技術「Nano Energy」を用いた降圧DC-DCコンバーターIC「BD70522GUL」と異常電圧を検知するリセットIC「BD5230NVX-2C」および、2.0〜4.7Vと幅広い充電電圧に対応できる充電制御IC「BD71631QWZ」、日本ガイシ製の薄型大容量リチウムイオン二次電池「EnerCera(エナセラ)EC382704P-C」を実装している。
特にBD70522GULは、待機時の消費電流が180nAと極めて小さい。電源機能のロスを抑えることで、応用機器がスタンバイの状態では、一般的な従来品と比べ電池の駆動時間を1.4倍も延ばすことができるという。
また、リセットICなどを含めたBMSとしては、ICの消費電流を抑えつつ電池容量が増えたこともあり、従来に比べ待機時間を60倍以上も延伸することが可能となった。EC382704P-Cは、厚みが0.45mm、電池容量が27mAhの二次電池である。
評価ボードの外形寸法は56.0×32.0mmである。薄型部品を採用したことで、プリント基板も含めた厚みは1.60mmと極めて薄い。
REFLVBMS001-EVK-001は、コアスタッフオンラインやチップワンストップ、Digi-Key、Mouserといったオンライン商社からも購入することができる。価格(税別)は1万6800円。
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