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エレクトレット型MEMS環境振動発電素子を開発:無線IoT端末の自立電源として期待
立命館大学と千葉大学は、荷電処理を不要にした「エレクトレット型MEMS環境振動発電素子」を開発した。電子回路とのワンチップ化も可能で、無線IoT端末の自立電源として期待される。
MEMSと電子回路のワンチップ化も可能に
立命館大学理工学部の山根大輔准教授と千葉大学先進科学センターの田中有弥助教らは2021年12月、荷電処理を不要にした「エレクトレット型MEMS環境振動発電素子」を開発したと発表した。MEMSと電子回路をワンチップに集積することも可能で、無線IoT(モノのインターネット)端末の自立電源として期待される。
開発したエレクトレット型MEMS環境振動発電素子は、荷電処理を必要としない自己組織化エレクトレット(SAE)をMEMS構造で集積した。他の方式に比べ低い周波数で出力電力密度が高いという特長もある。このため、コロナ放電や電子線/X線照射、高温処理などが必要となる従来の静電型MEMS環境振動発電素子に比べ、環境振動発電に有利といわれている。
今回は、真空蒸着法を用い、有機EL素子用の材料からなるSAEをMEMS内部に形成し、実際の発電にも成功した。エレクトレット形成は室温環境のみで行える。このため、エレクトレット型MEMS環境振動発電素子を、電子回路と同一基板上に集積することが可能である。SAE表面電位は膜厚に比例するため、SAEを厚膜にすれば発電量のさらなる増大も可能だという。
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