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三菱電機、パワーデバイス製作所に開発試作棟建設:新技術や新製品の開発を加速
三菱電機は、パワーデバイス製作所(福岡市)内に「開発試作棟」を建設する。パワー半導体の開発体制を強化するのが狙い。投資総額は約45億円で、2022年9月に稼働の予定。
開発実験室や開発品試作ライン、性能試験室、分析評価機能を集約
三菱電機は2021年4月、パワーデバイス製作所(福岡市)内に「開発試作棟」を建設すると発表した。パワー半導体の開発体制を強化するのが狙い。投資総額は約45億円で、2022年9月に稼働の予定。
同社はこれまで、産業機器や自動車などの用途に向けたパワー半導体を開発、供給してきた。パワー半導体の開発、製造拠点であるパワーデバイス製作所の敷地内には、開発実験室や開発品試作ライン、性能試験室、分析評価機能が分散している。新たに建設する開発試作棟では、これらの機能を1カ所に集約し、新技術や新製品の開発を加速する。
開発試作棟は地上6階建て、延べ床面積は約1万350m2である。空調機や換気設備、変圧器などは電力効率の高い機器を導入し、人感センサーや照度センサー付きLED照明装置を採用するなど、環境・省エネに配慮した設計になっている。2022年8月に建屋完成予定。
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