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三菱電機、広画角で多画素の赤外線センサーを開発78×53°の画角で80×60画素

三菱電機は、従来品に比べ画角を1.8倍、画素数を1.9倍としたサーマルダイオード赤外線センサー「MelDIR(メルダー)」を開発した。新製品「MIR8060B1」は、防犯機器や空調機器、人数計数などの用途に向け2021年7月1日より販売する。

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従来に比べ検知面積は最大4倍、温度分解能は100mKを維持

 三菱電機は2021年3月、従来品に比べ画角を1.8倍、画素数を1.9倍としたサーマルダイオード赤外線センサー「MelDIR(メルダー)」を開発したと発表した。新製品「MIR8060B1」は、防犯機器や空調機器、人数計数などの用途に向け2021年7月1日より販売する。


MIR8060B1の外観

 同社は、地球観測用小型赤外カメラ「CIRC(Compact InfraRed Camera)」に用いた技術をベースに80×32画素のMelDIRを開発、2019年11月より販売してきた。新製品は、赤外線データの信号処理方法を改善するなどして、78×53°の広い画角と80×60画素という多画素を実現した。これにより、人やモノの識別や行動の把握を広い範囲で高精度に行えるようになった。

 従来製品(MIR8032B1)に比べ、検知できる面積を2〜4倍に拡大しながら、温度分解能は100mKと、従来品と同等特性を維持している。画素数は増えたが、センサーチップの面積増加を抑えることにより、外形寸法を従来品と同じ19.5×13.5×9.5mmとした。動作電圧は3.3V、消費電流は50mA以下で、検知可能な温度範囲は−5〜60℃である。

 フレームレートは毎秒8フレームで、従来の2倍とした。これにより、時速36kmで動く物体が視野内で10m移動する場合、8枚の熱画像で確認できるため、詳細な動きを把握することができる。また、装着するレンズの特性により、これまで周辺部の感度が低下していた。新製品は、周辺部の感度を適切に補正することで、熱源の動きをより正確に把握することが可能となった。


上段は取り付け位置による検知可能な範囲、中段は検知した熱画像、下段は評価キットの外観 出典:三菱電機

 新製品のサンプル価格(税別)は9600円である。同社では、新製品を応用したシステム開発を支援するため、製品評価キットやレファレンスコード、レファレンスデザインなども用意している。

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